第三章
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「それで厄介なことになることもある」
「ですから」
「まさか」
「フー博士は地下に拠点を置いていて」
そしてというのです。
「そこから議事堂にガスを撒くんじゃないですか」
「有り得るな」
警部もはっとしたお顔になりました、ここで。
「あの博士なら」
「そうですよね」
「うん、大いに有り得る」
その可能性は高いというのです、フー博士が地下に基地を造っていてそこから国会議事堂に洗脳ガスを撒くことは。
「あの博士ならやる」
「しかも議事堂の下の方は」
「色々言われてるね」
「防空壕があったとも言われますね」
「大戦中のものがね」
先の第二次世界大戦です、この戦争の時は東京だけでなくあちこちで防空壕が作られて空襲の時避難していました。
「しかも作ったのに忘れられている」
「そうしたものもあるそうですね」
「まさかそこに」
「フー博士がアジトを築いて」
「そこからガスを撒く」
「有り得ません?」
神谷さんは警部に真剣なお顔で尋ねました。
「これは」
「さっき言った通りだよ」
大いに有り得る、これが警部の返答です。
「あるね」
「じゃあ」
「よし、すぐに上の方に連絡しよう」
警察の、です。
「そしてね」
「大戦中国会議事堂周辺に作られた防空壕を調べて」
「その中で怪しい場所があれば」
「そこにフー博士がいるかも知れないです」
神谷さんはこう警部に言ってでした、警部も頷いてです。
すぐにお話が捜査チームから警察の上層部に届きました、警察庁長官はそのお話を聞いてすぐに調査を開始しました。
そしてでした、すぐにわかりました。
「実際にあったよ」
「そうした防空壕がですね」
神谷さんは警部に応えました、二人は今丁渡捜査中で東京の新宿を歩いています。
「あったんですね」
「それも国会の真下にね」
「真下ですか」
「そこにあったんだよ」
「まさかと思いますけれど」
「そう、そのまさかだよ」
警部は確かな声で神谷さんに答えました。
「あの時国会議事堂の下にもね」
「防空壕を築いて」
「そこに当時の政治家や議事堂で働いている人達が避難出来る様にね」
「していたんですね」
「他にも防空壕があって」
議事堂の下にはです。
「そこもあったんだけれど」
「その防空壕のことは忘れられていた」
「長い間ね」
「そんなものがあったんですね、やっぱり」
「何しろあの時は一杯防空壕を作ったからな」
皆が避難する為にです、空襲から。
「だからそうした忘れられた防空壕もある」
「国会議事堂の下にも」
「そういうことだよ」
「じゃあそこにフー博士が」
「アジトを築いて」
そしてというのです。
「ガスを撒くかも知れない」
「それじゃあすぐに」
「
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