第六章
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「いいな」
「ええ、それじゃあね」
レギニータも店の中で父に答えた、まだ開店前なのでシャッターも上げてはいないがその中で笑顔で話した。
カルロはすぐに仕入れ先も調べて店にそのティナラクブラウスを出した、そこでティボリ族の色々な話もしたのだった。
するとだ、店の客主に若い女達が目を輝かせて言った。
「へえ、そんないい服なの」
「ただデザインがいいだけじゃなくて」
「魔除けの効果もある」
「凄い服なのね」
「この服を織る機織り機に魔除けのものがありましてね」
それでというのだ、笑顔で。
「この服にはそうした効果があるんですよ」
「じゃあ余計にいいわね」
「買う価値あるわね」
「それじゃあね」
「買わせてもらうわ」
女達はカルロの話に乗り気になってティナラクブラウスを買っていった。勿論スカートや髪飾りもセットでだ。
店の売上はティボリ族の服の分だけよくなった、それはかなりのものだった。
その売上を見てだ、カルロは夕食の時に娘に言った。そこには彼女がそのまま成長した感じの母もいる。
「おい、売上が凄くよくなったからな」
「今日もよね」
「ああ、夕食豪華だろ」
まずは夕食のことから話すのだった。
「二品も増えてな」
「そうね、フルコースみたいになってきたわね」
「フルコースって言うにはまだ大袈裟だがな」
流石にホテルのそこまではいかないがそれまではというのだ。
「よくなっただろ」
「そうね、じゃあ」
「あとはな」
「お店の内装もよね」
「その金も稼ぐ、けれどな」
「けれど?」
「行っただろ、店の内装の前にだ」
御飯を鶏肉を焼いたおかずと共に食べつつだ、カルロはレギニータに行った。
「御前のことだよ」
「結婚式のこと?」
「御前も結婚するだろ」
「そのつもりだけれど」
「家にいるのはもう御前だけだからな」
姉達は結婚して家を出たからだ、それでそれぞれ独立している。それで今家に残っているのはレギニ^タだけなのだ。
そのレギニータにだ、カルロは笑って言うのだった。
「御前が家を継ぐからな」
「お店をね」
「だからな、いい人を見付けてな」
「その時になのね」
「結婚式挙げさせてやるからな。もう三人やって金がなくなっていた」
この事情もだ、カルロは話した。
「だからな」
「ここでお金を貯めて」
「御前の結婚式のお金だ、その後でだ」
「お店の内装をなのね」
「改装するからな」
「そうした順番でいくのね」
「楽しみにしている。あの服は魔除けの効果だけじゃないんだな」
そのティナラクブラウスはというのだ、カルロは笑って言った。
「幸せの効果もあるんだな」
「私達のお店の売上がよくなったからね」
「福ももたらしてくれる」
「いい服よね」
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