第一章
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ティナラクブラウス
フィリピンの首都マニラで服屋を営んでいるカルロ=バルビエリは自分の店の売り上げをよりよくしたいと考えていた。それは何故かというと。
「やっぱり売上がいいとな」
「贅沢出来るっていうのね」
末娘のレギニータが父の言葉に応えた、店のカウンターに座っている父の頭は五十にして奇麗に禿げているが彼女の髪の毛は黒々としていて腰までありその髪を少し荒い感じで後ろでくくって束ねている。肌の色は母親に似て褐色で目は大きい。少し面長で睫毛は長く眉は細く奇麗なカーブを描いている。鼻は高く立派で背が高くすらりとしている。そのすらりとしたスタイルがはっきりわかるシャツにズボンという格好だ。
「そう言うのね」
「御前の結婚式のお金にもなる」
「私で四人目ね」
「ああ、御前でな」
カルロは自分の横にいるレギニータに顔を向けて言った。
「そうなるからな」
「お金ないの?」
「あってもな」
それでもという返事だった。
「もっと稼ぎたいんだよ」
「守銭奴になったの?お父さん」
「守銭奴は前からだ」
これがカルロの返事っだった。
「けれど最近特にな」
「お店の売上をなのね」
「よくしたいんだよ」
「それで私が高校を卒業して」
「いい人を見付けて結婚したらな」
その式の時にというのだ。
「御前も凄い式を挙げさせてやるからな」
「お姉ちゃん達の時みたいに」
四人姉妹の末娘である彼女にもというのだ。
「そうしてくれるのね」
「ああ、それに店の内装ももっとよくしたい」
「お店の中も」
「もっとよくな」
この望みもあるというのだ。
「だからな」
「もっとお金稼ぎたいのね」
「何かいい方法ないか」
「ネットの通販もしてるわよね」
「そっちは母さんがやっていてな」
「売上いいのね」
「ああ、この店自体もな」
売上自体はというのだ。
「いい感じだ。しかしな」
「今以上になのね」
「売ってな」
そして儲けてというのだ。
「御前の結婚式、それにお店の内装にな」
「お金使うのね」
「あと俺自身も贅沢したい」
この望みもだ、カルロにはあった。
「美味いもの食って美味い酒飲んでな」
「そっちの望みもあるのね」
「ああ、だからな」
「お店の売上伸ばしたいのね」
「是非な」
「そうね、お店の売上がよくなることはね」
そのこと自体はだ、レギニータも否定しない。それで父にこう言った。
「いいわね、私達の生活もよくなるし」
「世の中金だ」
この摂理もだ、カルロは娘に言った。
「金がないとどうしようもないからな」
「そういうことよね」
「ああ、売上伸ばすからな」
「そのことはよくわかったわ。けれどね」
レギニータは父の話をここ
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