第四章
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「あの服ですね」
「あの服じゃないとな」
それこそとだ、店長はこの辺りはわかっていた。
「危ないからな」
「はい、この仕事は」
「油を使うんだ」
つまりガソリンをだ。
「汚れるしな」
「作業服でないと」
「駄目だ、けれど目立つな」
「そうした服ならですね」
「どんな服か見せてくれるか」
「わかりました、それじゃあ」
こうしてだった、イザベラはまずだった。
更衣室に入った、ここでだ。
彼はもう店に着ていた若い店員にだ、こう問うた。
「それでどんな服だと思う?」
「半ズボンですか?」
「バレーボールの部活のか」
「それじゃないんですか?」
彼の予想ではそうだった。
「所謂体操服ですね」
「ブルマだったら最高だったんだがな」
「だからもうその服ないですから」
バレーボールでも、というのだ。
「幻の服ですよ」
「そうか、寂しいな」
「というか日本のヲタクじゃないんですから」
若い店員はこうも言った。
「そこは」
「俺の趣味だがな」
「店長そうした趣味あったんですか」
「いや、最近女房ともマンネリでな」
どうマンネリかはあえて言わなかったし若い店員もわかっていたのであえて問わなかった。それも全く、である。
「そうした服をな」
「奥さんに着てもらって」
「水着いいよな」
「それで水着やたら言ってるんですね」
「ああ、そうなんだよ」
結局言う店長だった。
「実際な」
「まあ水着じゃないってことは本人も言ったんですね」
「確かにな」
「だからそれはないですよ」
水着は、というのだ。
「そうした服は」
「そしてどんな服がか、だな」
「これからわかりますよ」
実際にというのだ。
「見ましょう」
「ああ、もうそろそろか」
イザベラが着替え終わって更衣室から出て来ることがだ。
「待ちに待ったな」
「そんなに待ってました?」
「大袈裟に言うとな」
「ちょっと大袈裟に言い過ぎなんじゃ」
「そうか?」
「はい、そう思います」
「じゃあ訂正するな」
「少し待っていた、ってですね」
若い店員は笑ってこうも言った。
「そう訂正しますか」
「そうしておくな」
「じゃあそういうことで」
こうした話を二人でしていた、しかし。
イザベラはまだ出て来なかった、それでだった。
店長は首を傾げさせてだ、若い店員に言った。
「あの娘の着替えはな」
「はい、もういつも」
「すぐだよな」
「すぐに着替えて出てきます」
イザベラは用意の速さでも定評があるのだ。
「まあうちの制服つなぎですから」
「着てな」
「前のファスナー上げるだけですから」
着るのは早く済むのだ。
「その分がありますけれど」
「だからか」
「ううん、
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