4部分:第四章
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申し上げますとわかりません」
彼はこう答えた。
「一体何者かすらも。一番噂があるのは人攫いの一団ですね」
「人攫い」
違っていたがそれは出さない。沙耶香はホテルマンに顔を向けて話を聞く演技をした。
「はい。この街にも昔から色々な輩がいますから」
「その中に人攫いもいると言いたいのね」
「ええ。まさかそんな化け物が実際にいるとは思えませんから。私はそう思います」
「そう」
それに応えるでもなく声を合わせた。
「どうでしょうか。私はそう考えるのですが」
「確かに可能性はあるわね」
「ですよね」
「けれど」
「けれど・・・・・・何か」
「いえ、何でもないわ」
だがここからは言おうとはしなかった。言うつもりもなかった。
「ただ。気になることがあって」
「何でしょうか」
「いえ、それも何でもないものよ。それじゃあご馳走様」
「あ、はい」
彼女はホテルマンに食器等を片付けてもらった。それから立ち上がった。
「今日も遅くなるかもしれないけれど。お願いね」
「はい」
「ピーチ=メルバ楽しみにしているから」
「畏まりました。それでは」
「ええ」
挨拶を済ませた後ホテルを後にした。そして昨日と同じくヤードの本部に向かった。
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