暁 〜小説投稿サイト〜
黒魔術師松本沙耶香 妖霧篇
1部分:第一章
[4/4]

[9] 最初 [2]次話
なさい」
 鞭はその言葉に従うかのように動いてきた。そして声の方に向かう。それはまるで蛇の様な動きであった。
「おっと」
 声はそれをかわしたのであろか。よけるような声を出した。
「危ない危ない。どうやら本気みたいだね」
「本気にならないとこんなのは出さないわ」
 彼女はそれに答えた。
「さあ、どうするのかしら」
「どうもしないよ」
 だが声はあっさりとした調子でこう述べた。
「今日のところはね。これでバイバイ」
「子供扱いはしないのに」
「だからだと。お楽しみはとっておかないと」
「あら、子供なのにわかっているのね」
 そう言って不敵に笑った。
「楽しみだわ。これからが」
「パーティーははじまったばかりだから」
 霧の中の声はまだ言う。
「焦らないさ。ゆっくりとね」
 そして何処かに消えていった。後に霧だけを残して。


[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ