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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
その頃 U
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に心構えをしていたノエルだったが、その光景に目を見開き、一瞬ではあるが、固まってしまった。

 「デイドラ!大丈夫か!」

 巻き起こった風を押しのけるようにしてノエルは炎柱に近付いた。

 「だい…………じょうぶ……だから……近づくないでください…………危ない」

 そのノエルの耳にデイドラの弱々しい声が届いた。

 「本当に大丈夫か?」

 デイドラは大丈夫というが、ノエルにとってただ事ではなく、彼を信じていないわけではないが、心配でしかたなかった。

 「うん、もうすぐ解ける」

 と、デイドラが言うとおり、すでに炎柱は小さくなっていて、デイドラの姿が黒い影として見えるぐらいになり、やがて炎が人の形をとったと同時に、弾けるようにして、炎が掻き消えた。

 「大丈夫か」
 「少し痛いぐらいだった」
 「そうか。しかし、今思えば、お前の魔法には解呪式がないのを見ると、発動時間は込めた魔力量に比例すると考えた方がいいようだ」

 ノエルは先程のことを思い出し言った。

 「俺もそう思う。沸き上がった魔力が発動している途中に消えていくのがわかった」
 「そうか、なら次はさっきより少し多く練り上げてくれ」
 「わかった」

 デイドラは頷くと、魔力に意識を集中させて詠唱を紡いだ。
 そして、ノエルの予想通り、この時詠唱した魔法によって生まれた炎柱の火勢は強くなり、発動時間が長くなった――代償(身を焼かれているような激痛)を払うことによって。
 先程の発動時もかなりの激痛が彼を襲ったが、デイドラは意志だけでそれを堪え(しの)ぎ、ノエルに悟らせなかった。
 以降は込める魔力量を増やしながら何度か魔法を発動したが、デイドラはノエルを心配させないために激痛で叫びそうになるのを理性で押さえていた。


     ◆


 「帰りに寄るところがあるのだが、いいか」
 「大丈夫。で、どこに行くの?」

 二時間に渡った訓練後、さんさんと日光がさす中、デイドラとノエルはダンジョンを出て、ホームへは少し遠回りにになるメインストリートを歩いていた。

 「今回の訓練で、精神を消費しただろうからな。精神力回復特効薬(マジック・ポーション)をな」
 「わかった」

 と、言葉を交わしてから特に何か話し合うわけでもなく、一〇分ほどが過ぎたところで、ノエルはある建物の前で足を止めた。
 その建物は平均的、一般的家屋のような見た目で、【テュール・ファミリア】のようなボロ屋でもないが、きらびやかでもない薬屋だった。
 玄関口の上に掲げられている看板には『白蛇の薬院』と書かれていた。

 「ここがいつもポーションを買い込んでいるところなのか

 「ああ、ここのポーションは良質でかなりお世
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