十六話:観戦と日常
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ヴィヴィオちゃん対ミウラちゃんの一戦を控えて緊張感が高まる試合会場にて俺は奴を見つけた。
そいつはのんきに豊かな胸を強調するかのように腕を組んで愛しの妹とコロナちゃんの隣に立っていた。
それを見た瞬間俺の心にどす黒い炎が燃え上がる。
許せない、奴を許してはならない。地獄の底に叩き落としてやらねば気が済まない。
四肢に力を籠め駆け出す。
地を駆ける獣のように。天を駆ける天馬のように。
俺は駆け出す。
そしてこちらに気づいた奴に飛びかかり、雄叫びを上げる。
「おっぱい揉ませろやぁぁあああっ!」
「ん? 構わないよ」
真顔でOKを出すミカヤの前で急停止して止まる。
そして、そのまま―――
「ボケに真顔で答えられると傷つくだろう!」
ジークから借りたハリセンで頭を叩く。
バシーンと良い音が鳴り響きアインハルトちゃんとコロナちゃんが目を見開くがミカヤは無表情で痛がる素振りを見せるだけだ。
こいつは俺のボケをことごとく殺して俺を苦しめる気か!
「私は君になら構わないと思っているんだ、ポッ」
「ポッとか自分で言うんじゃない。後、無表情でテレられても困る」
限りなく無表情でイヤイヤと頭を振るミカヤに思わずため息が出る。
今の俺にはミカヤの揉むという復讐は出来ない。
ジークに聖戦で負けしまった以上は俺にはどうしようもない。
揉みたいが、揉みたいが!
「それでも君なら強引に私の服を引き千切って押し倒して来るはずだ……あの夜みたいに」
「事実無根のことをいきなり話し出すな」
「私のお腹には君の子が宿っているんだぞ!?」
「残念だがそれはやけ食いした後の脂肪だ」
余りにも失礼なことを言ってきたのでもう一発ハリセンで叩いてやる。
横の二人が顔を赤らめているので教育的にもよろしくないのでまた叩く。
「さらにもう一発!」
「あれだけシテまだ足りないのかい、君は。仕方がない、私が突き合ってやらないとだ」
「子どもの前で下ネタを使うんじゃない!」
「最初に言い始めたのは君だろう」
さて、なんのことだかサッパリだな。
それよりも前回の件を問いただす方が先だ。
これは決して逃げているわけではないぞ。
「お前が食い逃げしたせいで俺は人生初の借金を背負う事になったんだぞ!」
「知っているよ、そうなるように仕組んだのだから」
「お前は悪魔か」
「小悪魔系美女、ミカヤちゃんと呼んでほしいな」
ふざけた仕草でピースをするミカヤに思わず青筋が浮かぶ。
こうなったらジーク発案である『画像と音声を知り合い全員に配信する作戦』を決行してやる。
俺は素早く端末を動かしメールの送信準備
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