十六話:観戦と日常
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無罪だ。
「どうやらこの逆刃刀の不殺の誓いを破る時が来たようでござるな……」
「お前はどこの人斬りだ」
「あの……試合、始まりますよ?」
どこからか取り出した刀に息を吹きかける姿がやけにさまになっているのが腹の立つところだ。
一人取り残されたコロナちゃんが俺達に試合に意識を向ける様に注意してくる。
おっぱい侍のボケにも流されないとは大した奴だ。
「さて、どっちが勝つか……ジーザスが勝つかミウラちゃんが勝つか」
「ジーザス…? えっと、それってヴィヴィオのことですか?」
「神……なのはさんの子だからな」
「ヴィヴィオから仕掛けました!」
試合が始まってすぐに動きがあったからコロナちゃんは無視をしたんだ。
そうだ、決して面倒くさくなって俺の言葉を流したわけじゃないんだ。
「ぷ、流されてしまったね」
「黙れぇぇえええっ!」
「試合に集中できないので黙ってください」
「あ、はい。すいません」
ふ、我が妹も中々言うようになたったじゃないか……別に悲しくなんかないからな?
目から流れ落ちているのは妹の成長を喜ぶ嬉し泣きの涙なんだ。
決して味方がいなくて悲しいわけではない。
「ふ、ふふ…私が…ふふ、味方になって……あはは、あげようか? くふふ…!」
「味方になるならそのニタニタ笑いをやめろ!」
「二人共お静かに」
『はい、分かりました』
二人そろってアインハルトちゃんに迷惑の烙印を押されてしまったので仲良く黙り込んで真面目に観戦する。
終始笑顔で殴り合う二人の幼女。まあ、ヴィヴィオちゃんは大人モードだけど。
言葉だけだとやたら物騒に聞こえてしまうが二人の戦いにはどこかすがすがしさが漂っていた。
全力でぶつかり合う。言葉を交わさずとも拳が想いを伝えてくれる。
青春の一ページにぜひとも加えたいような光景だ。
なのはさんの言うところの全力でぶつかり合えば仲良しを体現している。
しかし、ミウラちゃんを見ていると『まっくのうち! まっくのうち!』と叫びたくなってしまうのはなぜだろうか。
典型的なハードヒッターだからだろうか?
「ヴィヴィオさんのカウンターが失敗した!?」
最後の一撃に全てを賭けたヴィヴィオちゃんの拳は間違いなくミウラちゃんを捕えていた。
しかし、その威力は本来出そうと思っていた威力には到底及ばずにミウラちゃんの猛攻を止めることは出来なかった。
そして、ミカヤをあと少しでポロリまで追い詰めた時以上の蹴りがヴィヴィオちゃんに牙をむく。
『一閃必墜―――天衝星煌刃ッ!』
一撃必殺の斬撃の脚がヴィヴィオちゃんを斬り裂く。
これで試合は終了だった。悲しげな顔を浮かべる他の三人と共に俺も佇んで
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