十六話:観戦と日常
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を済ませる。
後は送信ボタンを押すだけでミカヤの奴を地獄に落とせる。
「ミカヤ……俺は復讐者なんだ」
「うちは一族にでもなったつもりかい、君は」
俺は俺のボケを拾ってくれたことと勝利を確信してニヤリと唇の端を吊り上げる。
だが、ミカヤはやけに落ち着いた様子で言葉を続けた。
「ジークへのプレゼント選びを手伝ってあげた報酬のつもりだったんだけどね」
そう言われて思い出す。俺がジークに青色のリボンをプレゼントした経緯を。
約束したので一応は何か買おうと思ったがジークの欲しい物なんて考えつかなかったので丁度訪ねて来たミカヤにどんな物が良いのかを聞いたのだった。
―――今度何かお礼をするという約束で。
ガックリと膝をつく。まさか身から出た錆だったとは……。
どこからか見た目は子供、頭脳は大人な名探偵の犯人が捕まった時のメロディが流れてくる気がする。
「あいつだけは……あいつだけは許せなかったんだ!」
「それはどこの誰ですか?」
「すまない、一回言ってみたかったんだ」
今回の件は俺の勘違いだったのだろう。
いや、それにしてもやることが悪魔の所業だがこれ以上は無駄だろう。
何よりも―――
「優しい彼等が復讐なんて望むはずがなかったんだ…ッ!」
「だから誰ですかそれは、リヒターさん」
「すまない、やっぱり一度は言ってみたかったんだ」
何かを失いたいと思うわけではないがこういうシチュエーションには正直、中二心がくすぐられる。
良い子のみんなは真似しないようにな。
俺みたいに痛い物を見るような目で見つめられたいのなら話は別だが。
『幼女に冷たい目を向けられる? 望むところだ!』という大きな友達はぜひ試してみるといい。
「ボケはもう良いから試合を見ようじゃないか。……ところでアインハルトちゃん、どうしてリヒターの服の裾を掴んでいるんだい?」
「……? なにか問題でも?」
「アインハルトちゃんが落ちた! この人でなし!」
「アインハルトさんが小動物系になってる……!?」
至極真面目な顔で俺の服の裾をキュッと握りながら首を傾げるアインハルトちゃん。
コロナちゃんの言う通りにその姿には溢れんばかりの小動物的な可愛さがあった。
もう、この子を本当に家の妹にしてしまいたい。
「お、お兄ちゃんも一緒にヴィヴィオさんを応援しましょう」
「たった今、君の死刑は確定した」
「俺は悪くねえッ!」
「ロリコン死すべし、慈悲は無いよ」
ミカヤが結構マジな顔でロリコン撲滅宣言を繰り出してきた。
一体こいつはロリコンに何の恨みを持っているんだ。いや、別に俺はロリコンじゃないぞ。
ただ単に天使を天使として愛でているだけだ。故に
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