第二章
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「そこは」
「決まってないの?」
「まだね、というか結婚しようかって話が出たところよ」
まだその段階だというのだ。
「そこまでお話がいってないわよ」
「これからなの」
「そう、これからよ」
「じゃあこれからどうなるか」
「そう、どうなるかわからないわ」
まだそうだというのだ。
「式とかね」
「そうなのね」
「まあウェディングで」
その純白のドレスのことについてだ、ゴーラは言った。
「悪くないわね」
「じゃあ教会で」
「いや、仏教だから」
ここでタイの国教が出た。
「私達の家もそうでしょ」
「ええ、そう言われたら」
「お兄ちゃんも一回修行してたし」
タイはまだ多くの人が一度は出家して仏門を学ぶ。そこれまで信仰が深いのだ。
「今もお寺に勤めてるしね」
「私もね」
ゴーラもだった。
「仏様はね」
「お家の仏像いつも磨いてるわね」
「大事にしないと駄目だって思うわ」
「そうでしょ、私も同じよ」
ゴーラにしてもというのだ。
「だからね」
「式も」
「あのドレス奇麗だけれど」
ウェディングドレス自体には悪感情はないのだ、ゴーラも。
「私はやっぱりね」
「仏教徒だから」
「やっぱり結婚の時は」
「ウェディングじゃなくて」
「仏式かしらね」
仏教、タイのそれの形でというのだ。
「式を挙げるかしら」
「そうするの」
「あくまでするとなったらね」
「じゃあ早く結婚しないとね」
「そこでそう言うのね」
「だって式を挙げたいのなら」
そう思うのならとだ、タニヤはゴーラに言った。
「まずはよ」
「結婚自体をしないと」
「出来ないでしょ」
「確かにね、だからなのね」
「そう、まずはね」
「結婚ね」
「そっちも頑張ってね」
結婚をというのだ、タニヤは姉にエールも送った。そうしたことを話してから半年位経ってからだ。ゴーラはタニヤに帰宅してから彼女の部屋に来て言った。
「結婚することになったわ」
「あら、おめでとう」
「色々お話してね」
「よかったじゃない」
「これからお父さんとお母さんに言うから」
「お兄ちゃんにもね」
「ええ、そういえばお兄ちゃんのところ子供出来たけれど」
「男の子ね」
二人の兄の話もするのだった、既に結婚して家を出ているが。
「元気そうよ、あの子」
「じゃあ私もね」
「結婚してなのね」
「元気な子供産んで育てるわ」
「もうそう言うの」
「言うわよ、それで実際にね」
「結婚するのね」
「そのことが決まったから」
こう笑顔で言うのだった。
「おめでとうと言いなさい」
「おめでとう」
タニヤは姉に笑顔でこう返した、彼女の言葉に応えて。
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