第29話 黒の剣士、決着をつける
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バグが残ってるじゃないか…」
須郷が溜め息を吐きながら向きを変え、キリトを殴ろうとするがそれを難なく掴み取った。
「………………あ?」
予想外の行動だったのか須郷は首を捻らせた。そしてキリトは吠えた
「こんな痛み……黒猫団の皆を守れなかった痛みと比べたら…!」
須郷の腕を掴んでいたキリトはそのまま殴り飛ばした
「がぁっ!!」
そして何かの不具合が生じたのかキリトを一方的に攻めていたサチが突然動きを止め、そのまま立ち尽くしていた
「こんな痛み…………サチとの約束を守れなかった胸の痛みと比べたら…!!」
「な、何を…!」
「こんな痛み……アスナを守れなかった苦しみと比べたら…!!」
「ひ、ひいいっ!?」
「何でもない!!」
「キリト君……」
「き…りぃ…とぉ……」
力強く立ち上がり、強く言い放ったキリトの姿にアスナだけではなく、意識が無いはずのサチまでもが涙を流していた。先程までの悲しみの涙ではなく、喜び…歓喜に満ちた涙だった。そしてキリトは次の言葉を口にした
「システムログイン!ID……《ヒースクリフ》!!」
俺の周りにはメニューウインドウが広がる。
「な、何だ?なんだそのIDは!?」
「システムコマンド、管理者権限変更。ID《オベイロン》をレベル1に!!」
そして須郷の周りのメニューウインドウが1つ残らず消えた
「ぼ、僕より高位のIDだと?ありえない!僕は支配者、創造者だぞ!この世界の王、神なんだぞ!」
何かにおびえる様に須郷は吠えるがその姿がキリトにはいっそ哀れに見えた。そして言い切った
「そうじゃないだろ?お前は盗んだんだ。世界を、そこの住人を。盗み出した玉座の上で1人踊っていた泥棒の王だ!」
キリトの言葉に額に血管を浮かべた須郷があるコマンドを叫んだ
「こ、このガキ…この僕に……神であるこの僕に向かって!システムコマンド、オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
しかし須郷が叫んでも何も起きなかった
「言うことを聞け!ポンコツが!神の…神の命令だぞ!!」
須郷が叫ぶ中、キリトはアスナとサチの目を合わせた
「アスナ、サチ……もう少し待っててくれ。すぐに終わらせるから」
「うん……」
「キリト…わたし…わたしは………」
「サチ…その話は後にしよう。今は……」
アスナ達と話した時は穏やかな表情だったが須郷を睨む今のキリトは怒りに満ちていた。そして…
「システムコマンド!オブジェクトID……《エクスキャリバー》をジェネレート!」
キリトがそう叫ぶと、空中から金色の刀身に華麗な装飾が施された
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