第29話 黒の剣士、決着をつける
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「ひゃっはははははははははははははははははははっ!!!それじゃ早速ぅっ!彼女にも来てもらおうか!キリト君にとっては久しぶりの再会だろ!?暖かい拍手をたのむよぉッ!?」
―――ブォンッ―――
須郷…オベイロンの耳触りな狂った笑い声が止んだ後、俺の目の前に魔法陣が展開された
「ハイ!3ッ!2ッ!1ッ!バアアァァンッ!!」
オベイロンの声と共に魔法陣から彼女が現れた。いくらヤツの説明を受けても、やっぱり信じられなかった。だけど、今俺の目の前にいるのは装備している防具と武器は最後に会った姿とは全く違った。蒼い鎧を纏ってその手には血の様に紅い槍を構えながらまるで俺を親の仇を見る様な鋭い目で睨む彼女の名は……
「サチ……ッ」
俺がSAOで出会ったかつての仲間…“月夜の黒猫団”の槍使いであり、俺がみんなを守ると言って守れなかった少女……無意識での行動だった。
無意識だと自覚していたが何時の間にか俺の手は彼女に触れようと思わず伸ばしていた
だが次の瞬間……!
−−−ブンッ−−−
「っ!!」
殺気を感じた俺は後方に飛んで距離をとった。痛みを感じる首元を触ると僅かに斬られた感触があった。サチが振るった槍の一閃が俺の首元に赤い線を走らせた。
SAOの頃の彼女は戦いに不向きなくらい心優しい少女だった。そんな今のサチの目は鋭く、憎しみに満ちていた。そして彼女が口を開いた言葉は…
「キリト………死ね!!」
「っ!!サチッ!?」
サチの突然の猛攻に咄嗟の判断が取れなかった俺は一瞬の内に胸、両肩、両腕、両足ダメージを受けてしまった。サチの殺意が本物だと感じ取った俺は自分が目を大きく開いていることを自覚した。そんな俺の表情が気に入ったのかオベイロンは狂ったように笑い出した
「ひゃっははははははははははははははははははははははっ!!いい!いいね!!いいよキリト君!その表情だよ!!君の様なただゲームしか能がないくせに『自分は勇者だ英雄だ』と粋がってるクソガキが絶望するその顔!!ゾクゾクしてたまらないねぇっ!?」
何がそんなに面白いのか知らないが、須郷は楽しそうに耳障りで狂った笑い声を響かせた。その一方、彼女……サチは鋭い槍の刺突を繰り返しながら俺に向かってきた。それに何とか防ぐが俺は彼女に決定打を与えることが出来ない。
「……キリトッ!!……」
「ぐ……っ!サチ!目を覚ませ!!」
「無駄無駄ぁっ!!今の彼女は僕の忠実な駒!君の声なんて聞こえないよ英雄くぅぅぅんっ!!!」
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