暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> 可能性を繋ぐ者
"白式"
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き
てきた後は頭を下げ、剣を教えてもらおうとした。最初は断られたものの、自分の意思を真摯に伝えこの一年間にしてきた集大成を見てもらうことで姉に認められ剣道、さらに篠ノ之流剣術を師範代である姉に教えてもらっていた。その努力は一夏を裏切らず、この場でフルに発揮されることになる

IS学園入学のゴタゴタで日課となっていた基本稽古が出来なかった分を箒との試合で取り戻し、久方ぶりの対人戦闘の勘を取り戻した一夏からすれば

(遅いな...。これなら千冬姉の一閃を避けるより楽だな)

一夏も剣の才能は確かに持っている。しかしそれは姉の織斑千冬と違い万能的に全てにある訳ではない。とりわけ彼は居合いに関してあまり才能がないのだ。そこは姉と似ていなかったのが残念らしい。だが、見切りに関しては姉以上に上手い

元々彼は目がいい。周辺視野しかり、瞬間把握しかり、動体視力しかり。さらに姉という別次元の実力を持つものと剣を合わせる内にまず大事なのは避けることというのを悟った彼は、他の何よりも見切りに重点を置いた。姉の攻撃は一撃必倒、躱せなければ戦うことすらできないのだ。そうして磨きに磨かれた彼のそれは一線級。体さえ動けばどんな攻撃であろうと見えているのなら避けられる

よってこの結果は必然。一夏の懸念はビットのみだった。しかしそれも先の戦いをみた結果相手を動かし続ければ問題ないという結論に至る。だから一夏はセシリアを追い続ける。距離を離され冷静になられたら確実にビットを使われる。何故かはわからないがちゃんと判断できていない今を逃せば勝てない、と

「届けええええええええ!!!」

一夏は願う。もっと早く、もっと遠くへ、もっと....。もっと!!!

一夏が一つの思いを追いかけているのに対してセシリアは戸惑いに溢れていた

なぜ、どうして。男のくせにどうしてそこまで素直な、なにも迷っていない純粋な目を、綺麗な目をしているのか

男は皆頼りなく、情けなくて、女である私達の下で頭を垂れしっぽを振るしか脳がない連中ではなかったのか

その前提が崩れていく。彼女の中で、この戦いの初めからあった違和感が膨れ上がる

そうして、セシリアはそれが何かを悟った瞬間に足が止まった。そうなれば必然、一夏の剣は届く

「ようやくわかりましたわ。わたくしは....」

「うおおおおおおおお!!」

一夏の剣が眩い光を放ち、セシリアのISを切り裂いた


『試合終了。シールドエネルギー両者ゼロにつき引き分け』
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ