宇宙戦艦ヤマト異伝
白色彗星
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「重力波スクリーン、異常事態《エマージェンシー》発生!
遷移出現《ワープ・アウト》の兆候を探知、天体クラスの巨大質量です!!」
観測員《スキャナー》の絶叫が艦橋《ブリッジ》に響いた、次の瞬間。
白光の爆発が闇を切り裂き、見覚えのある勇姿が無限艦隊の背後に現れた。
「大帝!」
私の名を冠した戦艦の艦橋《ブリッジ》は静寂に包まれ、皆が息を呑み巨大な闖入者を凝視していたが。
思わず洩れた呟き、安堵の溜息が緊張を解いた。
忠実な副官タラン准将も事態を悟り、面に歓喜の色が昇る。
「彗星《クェーサー》が何故、太陽系内に遷移《ワープ》してくるのだ!?
おお、動き始めた!」
ガミラス帝国が一旦崩壊した後の事情を知らぬ幕僚の唇から、困惑の声が迸る。
「凄い、奴等を踏み潰している!
何者か知らんが、味方だぞ!!」
「間違いありません、意図的に密集地帯を狙い敵陣を疾走しています!
無限艦隊が算を乱し、後退し始めました!!」
嵐の化身が縦横無尽に表示画面《スクリーン》を駆け巡り、無限艦隊を蹂躙。
皆の瞳から希望の光が溢れ、歓喜の声が艦橋に響き渡った。
大帝の座乗する戦闘要塞、白色彗星《ホワイト・クェーサー》は我々の眼前で本領を発揮。
高速回転する表層の激流に数多の艦艇が粉砕され、宇宙の塵と化す。
「総統、援軍から連絡《コンタクト》が入りました!
艦橋《ブリッジ》前方の表示枠、主画面《メインパネル》へ表示します!!」
通信科士官が操作、表示枠《ウィンドゥ》を瞬時に拡大。
一度は宇宙の塵と化した敗者、私に再戦の機会を与えてくれた盟友。
壮年の緑色人《グリーン・マン》が表示盤に映り、豪快な笑い声を轟かせた。
「間に合ったな、総統!
ガミラスの戦士諸君が見せた勇戦、敢闘は敬服に値し我々の模範とすべき所だ。
我等も宇宙航行種族《スペーサー》の一員、女神救出作戦に賛同し参戦を申し入れる。
火星の青色人戦士、ガミラス星人は信頼出来る勇者である事を実戦の場で証明した。
今度は我々、木星の緑色人戦士が諸君の信頼を得られるかどうか試される番だ。
無限艦隊は容易ならぬ敵だが我々も総統と同様、宇宙戦艦ヤマトと対等に戦った者。
小惑星帯《アステロイド・ベルト》の彼方、第5惑星軌道以遠に撃退して見せる。
火星《ガミラス》軍に劣らぬ実力と証明する様、我等もまた死力を尽くし戦う事を誓うぞ。
我々の言葉が真実と証明する為、現在只今より総力を挙げ無限艦隊と戦闘を開始する。
宇宙戦士《スペース・ファイター》の同志諸君、我々の戦い振りを見て頂こう。
無限艦隊との戦いは未だ続く故、総統以下の勇者達には充分な休息を取って貰いたい。
女神を救う為に数日後の交代に備え
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