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幼馴染みがTSしたので欲情しないようにするのが大変なんだが
幼馴染がTSしたので欲情しないようにするのが大変なんだが
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みたら、それは余計に強くなる。

「……やめろアホ……さっき、コイツに欲情することなんてない、って、確信したばっかだろうが……」

 彼女をベッドの上に下ろしてから、そう一人ごちる。


 危険だ。
 このまま、コイツと一緒にいるのは。何とかして、元に戻す方法を探さなくちゃいけない。


 俺は机の上に置いてあったスマホを取り上げると、電話帳を開いた。画面をスクロールし、目当ての名前を見つけると、その番号をコールした。

「……もしもし、関ケ原さん……? 俺だ、セージだ……うん。うん。あ、いや……《仮面憑き》じゃないと思うんだけど……うん。あのさ、黒奴間さんか君月さんに連絡取れない? あ、ううん。廉次さんじゃなくて奥さんの方に……」



 ***



 突然だが、俺は三次元が嫌いだ。三次元美少女なんてみんなビ〇チだと思ってしまうくらいに嫌いだ。取り敢えず三次元美少女の皆さんごめんなさい。
 まぁとにかく、俗に言う『厨二オタク』である俺はそんなわけでいろいろ三次元には絶望してるタイプの人間だ。

 だが。この世界にも多少ファンタジーな、二次元みたいなことが実在することを知っている、という点では、『厨二』とは言えないかもしれない。



 TSした葵が俺の所に駆け込んできた翌日の事だった。俺の部屋には、三人目の来客があった。

「ったく……面倒事持ち込みやがって……せっかくの休日だったっつーのに」
「でもどーせやる事ないんだろ。だったら可愛い弟子の為に働けよ」
「うるせー、誰が可愛いだ。お前はさっぱり可愛くねぇよ」

 そう言って悪態をつくのは、五十歳前後に見える、すごい悪人面をした男だ。大層くたびれた服装をしており、中途半端なハードボイルド感を出しているから困る。

「で、コイツか。その『てぃーえすむすめ』とか言うのは」
「発音悪いぞ。相変わらず流行に疎いな」
「黙れセージ。その口ぶち抜くぞ」
 
 ちっ、と舌打ちをしながらこちらを睨み、それから唖然とする葵を見る。その様子を俺も見て、ああ、と呟いた。

「葵、このおっさんは俺の後見人で、関ケ原さんって言うんだ。前に話したっけ?」
「あ、ああ……例の……元警察官の」
「うん。で、このおっさん諸事情で、今の葵みたいなファンタジーな存在に詳しいわけよ」
「訂正しろ。俺は詳しくねぇ。無駄に知識をため込めさせられただけだ。十五年前にな」
「そーゆーのを詳しいって言うんだ」

 あ゛ー、関ケ原さんと話をしていると突込み試合が止まらなくなる。

 この悪人面のくたびれた男の名は関ケ原城一郎(せきがはらじょういちろう)。一人暮らしをしている俺の後見人で、まぁ、父親代わり、というか親戚代わりみたいなものだ。
 彼は今から
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