マブラヴ
1039話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
シロガネに新たに追加されたシステムXNの試験が終了してから暫く。既に8月に入り、世間的には夏と呼ばれる季節になっていた。
本来であればホワイトスターの中は人工的に気温の変更が出来る。その機能を使えば1年中一定の気温を保つ事が可能で、それこそ常春の楽園にする事も難しい話ではない。
ただ……そうなると困る者も出てくる。具体的に言えば農場にいる各種動物や、ワイバーン。それと自然公園に住んでいるエルフ族に関しても、去年までは門世界で暮らしてきたんだから、季節の移り変わりがないとなると身体の調子が悪くなる者も出てくるだろう。
ああ、それと自然公園にある木とか、そういう自然に関しても影響してくるか。
ともあれ、そういう理由でホワイトスター内でも日本の四季に応じてそれなりに気温を変化させている。
もっとも、夏だからと言って気温40℃、冬だからと言って気温マイナス20℃とか、そういう極端な気温にはしないが。
マブラヴ世界のオーストラリアの人達にすれば、日本の四季を参考にしたこの季節の変化に関しては色々と思うところはあれども、その辺に関してはこちらに合わせて貰うしかない。
とにかく、今、ホワイトスターの季節は夏な訳だ。気温に関しても30℃近く、十分に暑く、家の中ではエアコンを使って涼しんでいる。
「やっぱり夏といったらカレーですわね。特に辛口のカレーを食べると夏! という気がします」
辛口のビーフカレーを食べながら、あやかがしみじみと呟く。
「そう? 季節とかはあまり関係なくカレーとか食べてるけど」
「シェリルさんの言いたい事も分かりますが、やっぱ私達にとっては夏と言えばカレーなのですわ。汗を流しながらカレーを食べるというのは、どうしても夏というものを感じさせてくれます。……それにしてもこのカレー、妙に美味しいですわね」
シェリルに言葉を返しながら、しみじみと呟くあやかの言葉に全員が頷く。
やがてその視線は、このカレーを作った人物でもある千鶴の方へと向けられる。
「ふふっ、ちょっと牧場の方からいいお肉を貰ったから、奮発してみたのよ。出汁を取る為に牛骨や牛肉をたっぷりと使って、それこそお肉から旨味をこれ以上ないくらいとってからスープを作ったの。そして最後に具としてのお肉を焼いてカレーと混ぜたんだけど……評判はいいみたいね」
笑みを浮かべる千鶴だが、牛肉はともかく牛骨からスープを作るとなるとアク取りやら余分な油を取ったりとかで、かなり大変な筈だ。それをいつの間にかやってるんだから、さすがと言うべきだよな。
……魔法球とか使って、実は数日煮込んでいるんですとか言わないよな?
いや、言うなら言うでいいんだけど。
「ああ、なるほど。だから肉がパサついてないでジューシーなのだな。ジャガイモも少し溶
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ