24部分:第二十四章
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「けれどそれと一緒に」
「まさかそのつもりで」
「ええ」
笑って答えてみせた。
「そうよ。それが何か」
「人を呼びます」
きっとして沙耶香に告げてきた。
「これ以上何かされたら」
「呼べばいいわ」
だが沙耶香はその言葉を嘲笑してみせた。呼びたくば呼べばいいと。開き直りそのものの言葉であるがそこにあるのは開き直りではなかった。
「けれど貴女はその間に」
「何を」
「こういう言葉があるのよ」
少女にまた囁く。
「本当の情事はエレベーターに乗っている間の時間で済ますものだってね」
「誰の言葉ですか、それは」
「ダリよ」
スペインの超現実主義の画家である。沙耶香が好きな画家の一人でもある。
「人が来る間に貴女は。けれど」
そうしてまた囁く。
「呼ばなければ。わかるわね」
「あっ」
背筋を左の人差し指で上から下までなぞられ。身体を震わせる。
「これだけじゃないけれど。いいかしら」
「まさか貴女は」
「そう、そのまさかよ」
身体を少しだけ離して少女の顔を見る。もうその顔は捕らえた顔と捕らえられた顔であった。
「わかっているのよ。女の身体のことは女が一番知っているわ」
「それで私を」
「拒むことはもうできないわね」
先程の指で。完全に篭絡してしまっていた。それをわかったうえでまた囁くのだった。
「じゃあ。いいわね」
「はい・・・・・・」
言葉にこくりと頷く。沙耶香はそれを見届けてからまた少女の身体を引き寄せる。そうしてそのまだ青さの残る、それでいて味わうには充分に熟した身体を味わうのであった。当然そうしながらあのことについての話も聞くのであった。
それが終わってから。沙耶香は服を調えつつ少女から聞いた話を反芻していた。その後ろには乱れた服で恍惚とした顔になり床に倒れ伏している少女がいた。
「成程ね」
沙耶香は頭の中で話の反芻を終えて少女に告げるのであった。
「他の事件と同じなのね」
「はい」
床に倒れている少女はこくりと頷く。チアリーダーのユニフォームは淫らに乱れたままだった。自分の汗と沙耶香の汗、そして他のものでその身体を濡らしてもいた。
「多分そうだと思います」
「有り難う、わかったわ」
そこまで聞いて納得してみせてきた。
「それがわかればいいわ」
「いいのですか」
「ええ」
少女に顔を向けて頷く。背を向けたまま顔だけを向けていたのだ。そうしてその妖しげ名笑みを見せていた。
「有り難うね。御礼を言わせてもらうわ」
「それで」
今度は少女から声をかけてきた。
「何かしら」
「これで・・・・・・終わりなんですか?」
身体を起こして問うてきた。沙耶香はその顔を見ている。
「これで」
「あら。まだ足りないのかしら」
「これで終わりな
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