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英雄は誰がために立つ
Life12 暗躍を照らす光
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 『なっ!?』

 突然の事に思わず驚いたのか、アサシン達の多くが目を見開いて(・・・・・・)しまった。
 しかし、アサシン達の核を含む少数のアサシン達とレヴェルは、咄嗟に目を閉じる事で難を逃れた。

 「ぬぅ、目潰しか!?」
 『ぐぅ!?』

 アサシン達の多くが、目を押さえて動きを硬直または鈍くなった。

 輝ける不敗の剣(クラウ・ソラス)

 ケルト神話における4つの宝物の一つで、戦神ヌアザが使っていたと言われている光の剣である。
 この光を眼にした者は一時の間、視力を失うと言われている。
 また、一度鞘から抜き放ち剣に刻まれている呪文を口にすれば、敵が隠れていようと自ら見つけ出して当たるまで追跡すると言う。
 さらには巨人殺しの逸話もある。
 この剣は戦神ヌアザの剣と言われているが、光神ルーの息子たるクランの猛犬クー・フーリンが使っていたともされており、正当な所有者については曖昧だ。

 輝ける不敗の剣(クラウ・ソラス)の光が未だ続いているのを肌で感じていたレヴェルは、漸く消え去ることを感じてすぐさま瞼を開いた。
 しかしそこで驚愕した。

 「!?藤村士――――」
 「せいっ!」
 「ごふぅっ!」

 レヴェルの眼前に縮地で移動して来ていた士郎は、眼前の敵を仙術と魔術と魔法で強化した足で、宙へと高く蹴り上げる。
 宙へと蹴り上げられたレヴェルは、血反吐を吐きながらも何とか態勢を整えようと全身から黒い糸の様なモノを出そうとしたところであることに気付いた。
 自分を蹴り上げた当の本人である藤村士郎が、自分に向かって跳躍しながら呟いている事に。

 「――――ものみな焼き尽くす浄化の炎(オムネフランマス フランマブルガートウス)破壊の王にして再生の微よ(ドミネーエクスティンク ティオニース エトシグヌス レゲネラティオース)我が手に宿り手敵を喰らえ(インメアーマヌーエンス イニミークムエダット)
 (これは詠唱・・・・・・知らない呪文だが拙い!!)

 自身の知識外だと判断するレヴェルは正しい。
 それはまだ『衛宮士郎』だった頃に魔術の修行と称して送られた世界の魔法なのだから。
 士郎が自分に到達する前に、前面に黒い糸状の盾を形成し終えようと言うところで、士郎の片腕が中心目掛けて突っ込んできた。
 そして、掌から光が微かに発光する。

 「っ!」
 「――――紅き焔(フラグランティア・ルビカンス)!」

 瞬間、特殊な爆炎がレヴェルに襲い掛かる。

 「がっぁああああああああああ!!?」

 爆炎をもろに受けたレヴェルは、強い衝撃と共に全身が炎に包まれた。
 この異世界の魔法は『衛宮士郎』だった頃に知り得た魔法だが、才能が無い為一度たりとも成功で
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