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英雄は誰がために立つ
Life12 暗躍を照らす光
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う釜倉状の防備壁だ。
 それらは見事すべて着弾してもの凄い騒音を響かせると同時に、防備壁を破壊していった。

 「――――っし、パーフェクト!」

 自分の起こした結果に満足気な笑みを浮かべながら、レウスは悠々と着地する。
 その光景を少し距離が離れた後方から見ていた炎駒と祐斗は、唖然とした面持ちで一部始終を見ていた。
 祐斗からすれば自身は勿論、沖田総司(剣術の師)藤村士郎(戦闘技術の師)の2人よりも遥か上と思える程の全く影も見えなかった速度に、圧倒されていた。
 炎駒は、自分たちがあれほど苦戦していたゴーレムの軍勢をいとも容易く蹂躙していった戦闘力と体運びに目を奪われた。
 何より2人にとって大きかったのは最後のレウスの突き付く動きだ。
 そう、あれではまるで――――。

 「ビリヤードは趣味の一つでな、この程度のゲームは楽勝なのさ」

 最後の攻撃は敵をビリヤードの玉に見立てたモノだったらしい。
 とは言うモノの、ビリヤードの玉とは違いゴーレムは凹凸などもあり本来100%イメージ通りにはいかないのだが、そこは大英雄の運動能力と心眼を如何なく発揮した上で可能としている芸当だが、その素晴らしい能力を無駄にしているようにも思えた。
 その当の本人は、自分の攻撃によって破壊して巻き上がった土煙が蔓延している釜倉状の中を視界に入れた途端、不敵な笑みから気怠そうな表情に変えた。

 「――――と言っても、標的(メイン)が逃げている時点で意味も無いがな」

 レウスの視線の中の釜倉の内部は、キャスターが真っ二つに壊れていた。
 但し、キャスター自身が自分に似せて作った身代わりのゴーレムだったが。

 「た〜く、あっちの敵アーチャー()と言い英霊としての誇りの欠片もねぇのか。どいつもこいつも裏や陰でこそこそと・・・」

 瓦礫同然のゴーレムだった物を見ながら嘆息する。
 彼としては真正面から堂々とぶつかり合いたいので、敵アーチャーや敵キャスターの様な手合いは吐き気がするようなもの同然と言う事だろう。

 「ちっ、此処で何時までもうだうだしていても仕方ぇし、あっちの2人いや、1人と1体をルシファードに送り届けるか。どうせ敵キャスター()は逃げたんだろうしな」

 そう言った瞬間に遮るモノも無くなったので、一瞬で戦車(チャリオット)の元にまで戻る。
 そのまま少し話し合ってから、その戦車(チャリオット)で炎駒と祐斗を送ってからの説明事情となり、旧首都ルシファードに向けて空を駆けていく。

 それを、かなり離れた地点で保険策として退避していたキャスターがその光景を見送った。
 キャスターが受けた要請(オーダー)は足止めと時間稼ぎのため、既に十分その役割を果たしている上に|レウス・クロス
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