暁 〜小説投稿サイト〜
英雄は誰がために立つ
Life12 暗躍を照らす光
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きなかったものである。
 しかし今現在のこの身は、強靭な肉体を持ちえる藤村の血と旧一流魔術師の家アインツベルンの濃密な魂魄と絶大なる魔術回路を持ちえた血の混血の規格外な器を得た事により、習得可能になったのだ。
 と言っても、フィリップの下であるにも拘らず修得するまでに、3ヶ月掛かったが。

 だが如何やらこれで終わりでは無いのか、外側から見た焔が弱っている箇所に掌を当てた瞬間にレヴェルが堪らず衝撃と共に先ほど以上に吐血した。

 「ごぶっ!」

 気を籠めた八極拳の掌底により、相手の内部から破壊すると同時に衝撃も加えて吹き飛ばした。
 吹き飛ばされたレヴェルは吐血しながら地面を2回3回とバウンドしてから、うつ伏せ状態で転がっていった。
 しかし致命傷には至らなかったのか、全身を未だに覆っていた焔を自分の上に魔法陣を展開させて消火した。

 「ちっ!」

 この事に致命傷を負わせきれなかったと舌打ちをしながら、レヴェルに向かい駆けて行く。

 「士郎さん!?」

 その途中でゼノヴィアとすれ違ったが、今はまだ事情説明している暇は無いので後にするように無視した。
 そうこうしている内に目標であるレヴェルの手の甲が怪しく光り出した。
 それは令呪だ。

 「――――アザ・・ジン、れぃじゅ・・・以て、め・ずる。わだぢ、ががえで・・・どおぐべ、逃げろ゛」
 「させるかっ!」

 マスターからサーヴァントに強制させる絶対命令権のコマンドスペルが令呪だ。
 その発動を止めようと、すかさず令呪が宿る右手の甲に向けて投影した黒鍵を放つも、それを遮るように一番近くに居たアサシンが割って入り、所持していた短剣(ダーク)で叩き落とした。
 そしてこの事により令呪は正確に作動した。
 アサシンの核たる存在が、令呪の力により一瞬にしてレヴェルの下に現れて命令通り抱えてその場を後にしようと森の中に逃げ込もうとする。

 「――――逃がすか、よっ!」

 それを魔力放出で加速した事により、レヴェルごとアサシンを切り裂こうとするが、令呪の力による効果の影響か、モードの斬撃は空しくも空を切り割くだけに終わった。
 そのままアサシンは通常時よりも倍以上の速度でその場を去った。
 それにより、宝具として展開していたアサシン達も消える。

 「くそっ!仕留めきれなかった!」
 「令呪使われたんじゃ、仕方ねぇだろ?それより、いいのか?他の所に援護に行かなくてよ?」

 レヴェルを屠れなかったことに対して歯噛みしている士郎に、モードは自身の剣を肩に乗せながら戻ってきた。

 「解ってる。切り替えなきゃならない時があるくらいはな。だからゼノヴィア、事情は後で必ず説明するから今は何も聞かないでくれ」

 モードの言葉に応
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