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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1〜2期/啓編
K18 傷ついても傷つけられても
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弟のほうが回れ右をして、外に出て、玄関の戸をピシャリと閉めた。

 こういう時どうしたらいいか、私、知らない。どうしよう、ねえ、奏?

 …………

 ……こうなったら、ここに来た本来の目的である立花響と話すしかない。

「その、体の具合はどうだ? 休学するほど悪いなんて聞いてないぞ」
「――体は何ともないです。わたし、ただ逃げてきただけなんです」
「逃げて?」
「現実から」

 立花は私の横、ついさっきまでは弟のほうがいた場所に座った。

「わたし、自分なりに覚悟を決めたつもりでした。守りたいものを守るため、シンフォギアの戦姫になるんだって。でも、ダメですね。親友のこと、昔のこと、気持ちが乱れて立ってもいられなくなった。わたし、もっと強くならなきゃいけないのに。変わりたいのに」
「……その様々なものの中に、立花の本当に守りたいものが含まれてるんだとしたら、今のままでもいいんじゃないかな」

 奏。人を元気づけるのって難しいね。初めて知ったよ。

「立花はきっと立花のまま強くなれる。そうなった時でいい。再び私たちと肩を並べ、いくさ場に立ってはくれないか?」
「わたし、もう一度ちゃんと立ち上がれるでしょうか?」
「ああ」

 絶唱を口にしてなお、死を恐れずいくさ場に帰ってきた君なら、必ず。


 少しだけ、静寂があった。

「翼さん。男の子に恋されたことってありますか?」

 い、いいいいきなり何を言い出すんだこの子は! ……あ。

「ノイズの討伐と歌手活動でそれどころじゃなかったからね。立花は――さっきのが初めて、とか?」

 立花は小さく肯いた。

「前にお話した時、啓に恋人が出来たらって言いましたよね。あの時、わたし、何でかすごくショックで。でも、義理でも啓は弟なんだから、そんな独占欲みたいな気持ちおかしいって。啓の気持ちを知った今も、啓がわたしにとって何なのか全然分かりません。気持ち悪いとかイヤとかじゃなくて」

 意気消沈したように俯く立花。

「嫌いじゃない。むしろ大好き。でも、このスキは弟だからなのか、異性としてなのか、自分でも本当に、分かんなくて」
「……ごめんなさい。それについては私も何もアドバイスできそうにないわ」
「ですよね。すいません。なんかグチに付き合ってもらっちゃって」
「いいんじゃない? その――仲間、なんだし」
「翼さん……」

 そ、そんな雛鳥みたいな目で見つめないでくれっ。

「も、もう帰る。この後、仕事のスケジュールが入ってるからっ」

 嘘だ。スケジュールなんて入ってない。入ってたらそもそも立花家を訪ねたりしない。

 立ち上がって玄関戸を開けた。

「あの! 来てくれてありがとうございました!」
「――どうい
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