1〜2期/啓編
K19 招待状
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プリトウェンは盾であると同時に魔法の舟でもあるって了子サンが教えてくれた。おれはそのイメージをなるべく広げて、スケボーの形を採用した。これなら足捌きで方向調節が効くし、何より、速くて楽チン。
アーティストフェスのおかげか無人の道路を、ギア装着状態で進んでたのが――まずかった。
「啓くん!?」
げ! 未来ちゃん!
うわ、気まずさMAX。最後に会った時、あんな焚き付け方したからよけいに。
でも響ちゃんと絶交したってことは、おれの脅しは効かなかったってことだし。
よし。見なかったことにして現場に急ごう。うん、そうしよう。
そう思って、つい停めちまったバリアボードをまた発進させようとしたんだけど。
「ねえ!」
何だよ。おれ、マジで急いでんだけど。
「この前の『奪ってやる』って、本気なの」
「……遠回しに告白はした。返事はまだ貰ってない。拒否ってこないから、我ながらイイ線行ってると思うけど?」
うん、こういう言い回ししたら、そりゃあ未来ちゃんみたいないい子だって睨むわな。
って何だよ、その一大決心しましたって顔。
「啓くん! わたしも連れてって!」
「はあ!? ちょい待ち、おれが今から行くのってノイズ退治だよ? 分かってて言ってる?」
「分かってるから言ってるの。わたしだって知りたい。響がどんな場所に立ってたか。そこで響が何を思ってたか。啓くんだけ知ってるなんてフェアじゃないじゃない」
――いつかこんな日が来るかもしれないと、思ったことはあった。
だって、おれと未来ちゃんは同じだから。
「立花響の『一番』になりたい」って気持ちが。
恋愛にせよ、友情にせよ、「一番」は自分でいたいって気持ちが。
「分かった。乗って」
バリアボードの後ろを親指で差した。
未来ちゃんはビビってバリアボードを見てたけど、腹据えたのか、おれの後ろに乗っかって立った。
「しっかり掴まってて。行くよ!!」
「きゃっ」
ボードを蹴って、いざ発進!!
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