暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Online 碧眼のランサーと狩人のアーチャー
ある小道での話
[1]
後書き
[2]
次話
「はぁっっっ?」
勇ましい掛け声と共に奉天画戟から繰り出されたのは、「大旋風」という名の戟用ソードスキルだった。
紫色のライトエフェクトを纏った「大旋風」は薄紫の航跡を残しながら熊型モンスター「ドルュプュトン」へ向かって行った。
竜巻状の剣戟は「ドルュプュトン」胴体に数回当たり、被害を受けた部分からは血に見たてた赤いポリゴンがパラパラとこぼれ落ちている。
「ドルュプュトン」は数秒硬直していたが、やがてドサリ、と重い音を立てて膝から崩れ落ち、ガラスが崩れ落ちる音と共に爆散した。
長さ2m半にも渡る奉天画戟を背中に収め、戦利品や取得金額などが表示されたウィンドを片付ける。
(この後、どうしようか…)
と、そんな事を考えていると、木が茂っている道の向こうから自分を呼ぶ声がした。
「おーい、ケイ君」
その声は、大人しめな女声だった。「この世界」では何度も聞いた事のある声だ。
ガチャ、ガチャと金属が擦れ合わさる音と共に現れたのは、緑色の軽金属を重ね合わせて作った防具を装備している女性だった。
背中には折りたたみ式の白色の弓が背負われていた。腰にはその矢を入れるのであろうポーチや、小さな小物入れがたくさん着いている。
肌は色白く、髪型は長くも短くもないショートボブ。耳には薄いグリーン色の眼鏡を掛けているのが一番印象に残る顔だ。
彼女の名は、カエデと言った。
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