第二十五話 田中中佐!本当にやったぞ路線変更!!その十六
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尚智は尚武にだ、こう言った。
「俺達が入れるかどうかだ」
「ああ、一枚入れたらな」
「よくてギリギリだぜ」
「そうだな、二枚目はな」
「入らないぜ」
それは無理だというのだ。
「これはな」
「みたいだな、ここのコインだとな」
「コイン二枚の重さ、質量でな」
それこそというのだ。
「アウトだ」
「そうした状況だな」
「このコインは金貨だ」
豪勢なことにだ、この勝負で使われているコインはそれなのだ。
「金は重い」
「この世で一番重い金属とも言われてるな」
「だからな」
「普通のコインよりもな」
質量があるからだ。
「きついぜ」
「そうだな、どうする?ここは」
「だから決まってるだろ」
ここでだ、尚智の目が光った。
そしてだ、こう弟に言った。
「いつもの方法でいくぞ」
「いつものか」
「ああ、いつものな」
それでというのだ。
「頭使っていこうぜ」
「それじゃあな、正義は頭だしな」
二人で話してだ、そしてだった。
まずは尚智が一枚入れた、コインはあっさりと水の中に入っていった。それもゆっくりと。
この一枚でだ、瞬は田中に言った。
「これで、ですね」
「はい、今の一枚は入りましたが」
それでもとだ、田中も瞬に答えた。
「次は」
「入りません」
「そうですね」
こう二人で話した、二人共今回こそはと思った。
勝てる、次の一枚を入れればだ。
「間違いなく溢れます」
「そうなりますね」
「これで長い戦いも」
「終わり」
ジャスティスカイザーの敗北によってだ。
「そしてです」
「私達の物語として再出発です」
「私達日帝衆の」
「日帝衆の正義の活動が書かれます」
「主役は西郷元老」
「あの方しかおられません」
瞬は主役への野心はなかった、それよりもこの世に正義が広まることが重要だと考えていた。私よりも公というのだ。
尚智は入れた、そして尚武がだった。
その一枚を入れればだ、グラスの水が溢れるというのだ。
二人だけでなく全世界が固唾を飲んだ、祝いの準備だった。
尚武はゆうるりとだ、その手にあるコインをグラスの中に入れた。
ここで水は溢れ出てしまうと誰もが思った、だが。
グラスはそのままだった、水を溢れさせずに。
コインはその底に落ちた、それを見て全世界が絶叫した。
「んな訳あるか!」
「何で水が溢れないんだ!」
「こんなのジョジョでもなかったぞ!」
「今回はそんなイカサマチェックしてるぞ!」
「チョコレートも使ってないぞ!」
そのオシリス神のイカサマも使われていないというのだ。
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