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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1〜2期/啓編
K16 仲直りのヒケツ
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からんって顔。ああ、そっか。

「おれんちの両親、再婚組でさ。だからおれと響ちゃん、血は繋がってないんだ。父親も母親も別の連れ子同士」
「へえ……」
「同情した?」
「誰が。生きてるだけいいじゃねえか。あたしのパパとママは……っ」

 クリスちゃんは胸の谷間に下がる紅いペンダントを握り締めた。この話題、今後避けよう。

「これからどうすんだ?」
「――――」

 答えなし。でもこれ、流れから言って、フィーネに凸るよな。あのやりとりだけでも分かるくらい、クリスちゃん、フィーネにご執心っぽいし。
 でもフィーネとかいうあの女、ソロモンの杖持ってんだよな。クリスちゃんもシンフォギア持ってるとはいえ、これはなあ。

「あの、さ。もしメーワクじゃないなら、おれ、クリスちゃんと一緒に…」
「メーワクだ」
「早ぁ!」
「もっと言ってやってもいいんだぜ? ウザイ。キモイ。迷惑千万極まりない」
「トドメ刺しに来やがったあ!!」

 地面に四つん這いで凹むおれを、クリスちゃんは得意満面に見下ろしてる。チクショウ。やっぱこいつ可愛くねえ。

「んじゃ。次に会うときゃ鉄火場だ。ドタマに風穴が空かねえよう、せいぜい注意しな」
「あ」

 行っちまった。

 はあ。分かったよ。
 また生きて会える日を楽しみにしてる。じゃあ「また」な、雪音クリスちゃん。






 次の日も「いつも通り」の学校を終えて、チャリ漕いで我が家にいざ帰宅――ってなるはずだった。
 家の前で、リディアンの制服姿の響ちゃんが立ってなければ。

「響ちゃん!?」

 チャリの速度上げて、響ちゃんの前で停めて降りた。

「どうして。何かあったんか?」

 響ちゃんが実家に帰るなんて、母さんかばあちゃんに何かあったとか、そんくらいヤバいレベルじゃなきゃありえねえ。
 だって「ここ」は響ちゃんの一番の傷を思い出させるんだから。

「啓……」

 ふいに響ちゃんがふらっと倒れかかる。

「ちょ、響ちゃん!?」

 慌ててチャリを道に転がして支えた。相変わらずちっこい……いや、細い?

「……く…ない…って」
「え?」
「みくが…っ、もぉ、ともだちで、いられな…って…!」

 ともだちでいられない。

 つまり、未来ちゃんが響ちゃんに絶交宣言したってこと?

 ウソだろ。ありえねえ。あの未来ちゃんが、小日向未来が立花響から離れるなんて。何かの間違いじゃ。でも響ちゃんが人前でここまで無防備に弱さをあらわにするなんて滅多な事態じゃない。

「響ちゃん、落ち着いて。落ち着いてとにかく家に入ろう? ね?」

 響ちゃんはなおも泣く。おそるおそる肩を押したら、何とか歩いてくれた。
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