十五話:覇王と日常
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ない。
というか、それ以上は本気で曲がらない。
こ、このままだと、アーーーーッ!
所々外れてしまった関節を元に戻しながらジークと一緒にアインハルトちゃん対コロナちゃんの試合を観戦する。
試合は二人の意地と意地の張り合いとなって死闘を思わせる凄まじいものになった。
どちらも満身創痍の状態での最後のぶつかり合いは思わず手に汗握りながら見てしまった。
勝者はアインハルトちゃんとなったがコロナちゃんにも拍手を送りたい。
「私の対戦相手はあの子になるんか……」
「なあ、少しいいか? 何でお前は俺の横にピッタリとついているんだ」
「他のお客さんもおるんやけえ、詰めるんが常識やろ」
「それはそうだが……近すぎないか」
俺達の距離は肩と肩が触れ合うレベルで近い。初めはアインハルトちゃんを抱きしめていた俺への腹いせのつもりだったジークも言葉とは裏腹に肩が触れ合うたびに頬を赤らめてピクンと反応している。
さっきまでは面白いのでタイミングを見計らいながら触れていたがいい加減飽きてきたので声を掛けたのだがどうやら意地でも動く気は無いらしい。
「あの子みたいに私も、だ、抱きしめてくれたら離れたげるよ」
「天使と同等の扱いを受けようなど片腹痛いわ」
「なら、私から抱きしめよーか。勿論関節技でやけど」
「やめろ、争いからは何も生み出されないぞ!」
しばらく押し問答をしていた俺達だったが結局俺が暴力の前に屈したことで現状維持に落ち着いた。
触れ合う体温が少し居心地がいいなんて思っていなんだぞ。
お互いにどことなく気まずくなってしまった為に黙ったまま次の試合を眺めていると救世主が現れる。
「チャンピオン、リヒターさん、頼みたいことがあるんですが」
「お、束縛プレイが好きそうなエルスじゃないか」
「誰が束縛プレイ好きですか! あれは高等戦術です!」
「あはは……それで、なんのお願いなん?」
どこからか現れたエルスをいじることで気まずい空気を脱することに成功する。
しかし、てっきり束縛プレイが好きだと思っていたが違ったのか。
全く、紛らわしい。
「私をセコンドとして加えてください!」
「ええっ!?」
「チャンピオンの傍で勉強したいんです! お願いします!」
深々と頭を下げるエルスにジークがオロオロとして俺に指示を求めるように見て来る。
ふむ、俺としては眠る時間が確保できるから増えるのは一向に構わないんだが確かな力量を持ち合わせているかは調べないといけないな。
「仕事を抱いて過労死しろ」
「それじゃあ、世界の奴隷じゃなくて会社の奴隷です!」
「採用」
こうして俺達の陣営にボケを理解しつ
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