十五話:覇王と日常
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似ている。
若干人見知りのとことか、しっかりしていそうでその実抜けていそうなところとか。
……何より、時折どこか悲しげな表情を見せるとことかがな。
まあ、纏めるとだ。
「放っておけないところとか、ついつい構いたくなるところが似ている」
「それが妹に抱く様な感情に似ているという事ですか?」
「さて、俺は一人っ子だしな。でも、似ているんじゃないのか?」
「……また、疑問形ですね。つまりハッキリとした答えはないというのが答えなんでしょうか?」
「そうだな。俺みたいにネジの二、三本飛ばせば何となくでもいいかって思えるさ」
「断固として拒否します」
真顔で言われた言葉がグサリと俺の心に突き刺さる。
ティオ…… 疲れたろ…。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ。
ティオ……。
「ティオを勝手に天国に連れて行こうとしないで下さい。逝くならご自分一人で」
「最近、俺の心が読まれまくっているんだが、何なんだ一体?」
というか、アインハルトちゃんの風当たりが急に強くなったんだけどなんでだ。
まさか、ミカヤのように性格が豹変してしまうのか?
そんなことは断じて許さない。アインハルトちゃんは天使でなければならないんだ!
「小悪魔系というものです」
「そんなのウソだッ!」
心が読まれている件についてはスルーの方針で行くことにした。
深く考えても仕方がない。
若干、俺が振り回されていることに戦慄しているとアインハルトちゃんが立ち上がって恥ずかしげに頬を朱に染めながら口を開いた。
「お……お兄ちゃん」
やばい、やっぱりこの子は天使だった。
思わず抱きしめてしまった俺を咎められる人間がどこに居るだろうか?
いや、いない。しかし、遠目に俺を指差して通報しようとしている人間もいるわけなので素早く離す。
やはり、どこかガッカリとした様子のアインハルトちゃんだったがもうすぐ試合なので気を入れ直して歩き出す。
「頑張ってこい、妹よ」
「は、はい!」
俺の言葉に顔を真っ赤にして駆け出していくアインハルトちゃんを微笑まし気に見送っていたが後ろから肩をガッシリと掴まれたのでため息をつきながら振り返るとどこか目の座ったジークとバッチリと目が合った。
本能的にこれはヤバいと判断したが逃げられない。
「なんや、随分楽しんどったみたいやなー。ところで関節技の練習したいんやけど手伝ってくれへん?」
「我々の業界ではご褒美です」
「ほな、始めよっか」
「待て! 今のところは気持ち悪がって俺から離れるところだろ!?」
「だいじょーぶや、私は変態さんでも嫌いにならへんから」
俺の関節を逆方向に曲げながらジークが何か言ってくるが聞こえ
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