暁 〜小説投稿サイト〜
K's−戦姫に添う3人の戦士−
1〜2期/啓編
K15 隠し事なんてなかったのに
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「クリスちゃん!!」

 ちょ、響ちゃん!? 危な…!

 響ちゃんの体当たりで、クリスちゃんを狙ってたネジ型ノイズは炭化した。

「立花!」
「お前何やってんだよ!」

 倒れた響ちゃんをクリスちゃんが受け止めてくれた。

 急いで駆け寄って、響ちゃんの前にしゃがんだ。
 外傷はないように見えるけど、骨とか筋肉がイッちまってたらおれにも手が出せねえ。

「ごめん、クリスちゃんに当たりそうだったから、つい……」

 クリスちゃんの顔がカッと赤くなった。

「馬鹿にして! 余計なお節介だッ!」

 おい! 響ちゃんはあんたを体張って助けたのに、その言い方はないだろ!


「――命じたこともできないなんて、あなたはどこまでワタシを失望させるのかしら」


 この場の誰のでもない声。つい声の主を探す。

 海に突き出た桟橋に、喪服を着た女が一人、立ってた。ソロモンの杖を持って。

「っフィーネ…!」

 ? クリスちゃん、怯えて……?

「フィーネ?」
「音楽の…楽譜の終止記号…だったと思う」

 響ちゃんがぼんやり状態なのに解説してくれた。

「こんな奴がいなくたって、戦争の火種くらいあたし一人で消してやるッ! そうすればあんたの言うように、人は呪いから解放されて、バラバラになった世界は元に戻るんだろ!?」

 ちょ、そこで響ちゃん投げてんじゃねえよ!
 何とかキャッチ。危なかった。

 風鳴サンがおれたちを庇うみたいに前に立ってブレードを構えてくれた。こういう時に頼もしいってズルイよ、先輩。

「もうアナタに用は無いわ」
「!! 何だよそれ……」

 フィーネとかいうらしい女が手を広げると、何かの粒子っぽいものが手の平に集まって、消えた。

 またノイズが出てきた。今度は竹トンボ型。しかも多い。けど、全部、風鳴サンが斬り伏せてくれた。
 その間にフィーネもクリスちゃんも行っちまったけど。

 風鳴サンはブレードを片しておれらのほうへ歩いて来て、片膝を突いた。

「ケガはないか?」
「おれは特には。でも、でも響ちゃんがっ」
「わたしはへいき…へっちゃらだよ…」

 風鳴サンが立ち上がった。

「とにかく。一度、二課本部へ帰投しよう。話は全てそれからだ」






 響ちゃんのメディカルチェック中、おれは緒川サンに頼んで未来ちゃんのとこに連れてってもらった。

 案内された一室に、自動ドアにぶつかるスレスレな勢いで飛び込んだ。

「未来ちゃん!」

 うわ、過去最高に不機嫌な顔。あくまで響ちゃんを通した付き合いしかないおれだけど、未来ちゃんが今、メッチャ怒ってるのは分かるぞ。

「あ…えっと…」
「大体の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ