特訓と……
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ローガの脚に装着されたメタルブーツが鋭い光を放った。どうやら、あちらさんは俺の事情がどうであれ止めるつもりがないらしい。何という理不尽。
だがまぁ、ちょうど暇していたところだ。断る理由はないし、こいつとは一度手合わせしてみたかったってのもある。
こちらとしても願ってもない申し出……というわけでもないのだが、別に構わないという様子で【物干し竿】を構えた。
「……てめえ、本気でこいよ」
「もちろん、そのつもりだぞ?」
「ほざけ。槍が本気だって言ってただろうが」
どうやら、食料庫で俺が話したことを覚えていたらしい。
だが、あいにく、【破魔の紅薔薇】も【必滅の黄薔薇】もホームに置きっぱなしだ。念のためと思って持っていた【物干し竿】しかないのだ。
「まぁそうだけど。けど、俺はこれの腕もなかなかだと自負しているぞ? 少なくとも、お前に負けることなぞありえんしな」
「はっ、上等。その自信、へし折ってやらあ」
その言葉を合図に、長刀とメタルブーツがぶつかり合い、甲高い金属音を辺りに響かせた。
ーーーーーーーーーーーー
「ガルァアア!!」
「シッ!!!」
空中からの踵落としを刀で弾くことで軌道を反らすと、返す刀で斬りかかる。
だがローガはこれを手甲で受け止めた。
こんなやり取りがもう一時間以上も続いているのだ。それも全てがすべて俺を殺しにかかってくる威力のこもった一撃だ。もろで喰らえばLvの差はあってもただではすまない。
まぁ、俺もそれに答えて、殺すつもりで斬りかかっているのだが
「ダラァアッ!!」
「チッ!!」
今度はこちらから攻めてかかる。
袈裟斬りからの横薙ぎ。連続で二撃をローガに叩き込もうと刀を振るう。
がしかし、ローガは最初の袈裟斬りを脚を振り上げることで迎撃。続く二撃目を放てなくなり、尚且つ体勢を崩してしまっていた俺はやむなく後退。その直後、俺がいた場所にローガの踵落としが炸裂した。
倉庫の床が弾け飛ぶ。
「さっさと一撃喰らえや!!」
「そのまま返させてもらうぞ!!」
お互いが駆けたことで、俺が先程取った距離が瞬く間に消失する。
薙ぎと回し蹴りが交錯したかと思えば、次には斬り上げと踵落としがぶつかり合い、更には蹴り上げと上段斬りご弾かれあう。
第三者から見れば、どうなっているのかと視認することさえ困難だと思われるこの攻防。
お互いの敏捷値が高いからこその動きだ。
一瞬でも気を抜けば一撃をもらうであろうこの緊張感も半端ではない。
刀で蹴りを防ぐ傍ら、チラリとローガの顔を確認すると、顔の左の刺青が歪み、獰猛な笑みを浮かべていた。
多分だけど、俺もこいつ
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