第153話 蔡瑁反乱画策
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お許しを! 何でもします!」
張允は半狂乱になりながら蔡瑁に訴えた。蔡瑁は張允の言葉など無視して彼女の髪を頭頂部から鷲掴みにし乱暴に顔を持ち上げた。張允は苦しそうだったが蔡瑁に許しを乞おうと必死に目で訴えていた。
「お前の言葉など信用できん。お前に選ぶ道など無いことを理解させてやる」
蔡瑁は冷徹な視線を張允に向けると張允の整った鼻に剣の刃を当てた。張允は顔を引き攣らせ瞳から涙を止めどなく流す。張允の様子など意を介すことなく、蔡瑁は張允の鼻を削ぎ落した。張允は悲鳴を上げるが顔を蔡瑁に持ち上げられ、くぐもった声しか出せないでいた。
「化膿しない様に治療してやれ。秋佳、義姉上にはお前の代わりにお前の鼻を贈り届けてやる。明日にでも劉正礼の元に使者として行ってもらうぞ。この私を裏切ろうと思うな。その顔では心配あるまいがな。劉正礼が万が一にでもお前のような女に情けをかけるわけがあるまい」
蔡瑁は兵に指示を出すと張允に吐き捨てるように言い、自分の馬に跨がり襄陽に向けて去って行った。
この蔡瑁の判断は正宗の行動により裏切られることになるが、それはもう少し先の話である。
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