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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第153話 蔡瑁反乱画策
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「伊斗香、この私を餌にして劉正礼から官位を得ようというつもりであろうがお前の思い通りにはさせんぞ」

 蔡瑁は戦支度をするために執務室を出て行った。



 四刻(一時間)後、蔡瑁は兵一万を率い襄陽を立った。蔡瑁は?越を追うために兵を急かせたが?越の率いる軍の姿を確認できなかった。
 蔡瑁は苛立っていた。彼女の周囲にいる兵達は彼女の焦りを感じ、彼女同様に焦っている様子だった。

「くそ! 伊斗香は何処にいる。あの女のことだ。私が追ってくると考え警戒しているやもしれんな」
「蔡徳珪様、?異度様の行軍方向がわかりました」
「でかした! さっさと案内しろ」

 蔡瑁の斥候からの兵の報告を受けると笑みを浮かべた。
 斥候の案内で蔡瑁軍は移動を開始した。八刻(二時間)後、人の足と馬蹄と車輪の跡を確認した。その後、蔡瑁軍は?越軍の行軍の痕跡を追って行軍を開始した。
 ?越軍を追跡して四刻(一時間)後、?越軍は二手に分かれて行軍している形跡があった。進行方向は北と西に分かれていた。北は南陽郡である。西から南陽郡に向かうには山越えをし湿地隊を超えて移動するためかなり遠回りする必要がある。

「伊斗香のやつはどちらに進んだのだ。あの女が馬鹿正直に南陽郡に向かうであろうか? 山越えなどありえん。やはり北の道か。このまま考えあぐねても伊斗香の軍と距離が開いてしまう」

 蔡瑁は馬上で考えこんでいた。

「蔡徳珪様、北の道は馬蹄のみ。騎兵のみで向かったものかと!」

 蔡瑁の元に騎乗した武官が声をかけてきた。

「騎兵のみか」

 蔡瑁は独白すると口元に人刺し指を斜めにあて考えこみはじめた。

「歩兵は捨てたか? となると三百騎程度か。その程度の兵で劉正礼に媚びを売ろうとは伊斗香も焼きが回ったものだな」

 蔡瑁は北の道を凝視していた。

「もしくは兵が損耗することを恐れたか?」

 蔡瑁は次に西の道を凝視していた。

「口惜しいが伊斗香の軍をこのまま追跡するのはまずいな。劉正礼に気取られ南陽郡から兵が出てくるかもしれん。それに急襲をするつもりであったから兵糧も持ってきていない」

 蔡瑁は苦虫を噛み南陽郡の方角を睨んだ。

「襄陽に戻るぞ」

 蔡瑁は不機嫌そうに兵達に声をかけ襄陽に向けて転進した。

 蔡瑁が去って十六刻(四時間)後。空は既に赤く染まっていた。西の道から歩兵を中心とした六千五百の兵達が姿を現した。兵達の中心には騎乗する?越がいた。
 ?越は周囲を見回した後、斥候を放ちその場に駐留した。四刻(一時間)後、斥候が戻ってきて?越に報告をはじめた。
 ?越は斥候達全てから報告を受けると北の道を凝視して兵達に行軍を指示を出し四刻(一時間)程行軍した後に野営を行なった。空
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