マブラヴ
1037話
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ていた他の世界からの観客がどこか失望したような声を漏らす。
いや、けど何でだ? 別にあのワイバーンがアウルに対して懐いていないって訳ではでないだろう。でなければ、そもそも頭を撫でたりもさせないだろうし。
けど背には乗せない。……となると、恐らくは懐いてはいるけど背に乗せる程にアウルを認めている訳じゃないって事か?
ゲーム風に言えば、好感度が足りないって奴だ。
「おいっ、何でだよ! アクセルは乗せただろ! なのに、何で俺の時は乗せないんだよ!」
そんな風に叫ぶアウルだが、ワイバーンは全く気にした様子もなくアウルの怒りをスルーし、餌として置かれている生肉へと口を伸ばす。
「あー……駄目だな、ありゃ」
溜息と共にそう呟いたスティングが、アウルの代わりにとワイバーンへと近づいて行く。
「ほら、アウル。ちょっと代わってくれ。俺がやってみる」
「いや、けどよ」
「お前はまだこいつに認められてないのは見て分かっただろ? 後は時間を掛けるしかないって」
言い聞かせるようなスティングの言葉に、アウルは何か言いたげにしたが……やがてここで粘っても何の意味もないと悟ったのだろう。そのまま数歩下がる。
そんなアウルを見たスティングは満足そうに頷き、次は自分の番だとばかりにワイバーンへと手を伸ばし……
「GURUUUUUU!」
その瞬間、肉から口を離したワイバーンに威嚇の声を上げられた。
「……あはははははっ! な、何だよスティング。ワイバーンの頭すら撫でられないなんて、俺よりよっぽど下じゃん!」
「……も、もう1度だ」
そう告げ、改めてワイバーンの頭へと手を伸ばそうとしたスティングだったが、再び唸り声を上げられる。
そして再びアウルの口から出る笑い声。
いや、アウルだけではない。俺の背後にいる見物客からも同様の笑い声が上がっている。
「おい、どういうつもりだ? 何でアウルにはあっさりと頭を撫でさせたのに、俺の手は避ける?」
「GYUU?」
何を言っているのか分からないといった風に首を傾げるワイバーン。
確かにワイバーンはそれ程高い知能を持っている訳ではない。
というか、そもそもワイバーンよりも上位の古代龍である炎龍にしても明確な知識はなく、殆ど本能に従っている動物の如き存在だった。
普通高位のドラゴンであればそれなりに高い知能を持っていて、人間と話が出来る者も多いってのがパターンなんだが……どうやら門世界のドラゴンに関してはその辺が当て嵌まらないらしい。
「あー、スティング。そいつらに言葉は通じないから、自分自身の力をもって認めさせるしかないぞ」
そう呟き、ふと納得する。
そうなると、俺にあっさりと背中に乗るのを許したのは、力の差を理解し
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