Life11 本命
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弱なれど効果は確かなある術を、このグレモリー領一帯に掛けていたのだ。
その術の効果は、ゼノヴィア・クァルタの存在を一時的に忘却の彼方に飛ばす事だった。
しかし、この術は効果が強すぎると対象者たちに違和感を感じさせるのが早いので、精度をワザと微弱に設定した上で掛けたのだった。
故に、もう気付かれたのかと焦っていた。
ゼノヴィア・クァルタの奪取のためだけに、今回これ程の広域にわたる陽動作戦を仕掛けたのだから、成果が上がらないとなれば大損だ。
「話す気が無いのは判っていますよ。ですから当初の予定通り、拘束してから聞きだします」
「ずいぶんと舐めてくれるな!この畜生めっ!!」
「その様な台詞、私の懐に踏み込んでから言って頂きましょう」
睨み殺すようなセイバーに、冷ややかに瞳を浴びせるグレイフィア。
それを合図に2人はまた戦闘を再開した。
グレイフィアは、あくまで距離を保って魔力弾のシャワーを浴びせる。
そしてセイバーは、それらを剣でいなし捌きながら近づこうとするも、なかなか距離を縮められずにいた。
「グレイフィア!私たち、ゼノヴィアを迎えに行きたいのだけれど・・・」
「申し訳ありませんが今は難しいです。この者達に背中を見せれば危険です!それに、よしんば魔獣の群れを突破できたとしても、敵が潜んでいないとも限りません」
「・・・・・・・・・クッ!」
グレイフィアの答えに、悔しげに頭を垂れるリアス。
ゼノヴィアの迎えを行くためにもこの状況の打破をするしかない現実に、リアス達の焦燥感は最大限まで引き上げられていた。
−Interlude−
「ふむ?矢張りばれたかな」
此処は、旧首都ルシファードを見渡せる丘。
そこに、陣取っていたキャスターが振り向くと、少々離れた地点に途中で合流した祐斗と炎駒が敵意をむき出しにしながら構えていた。
「貴方が会談襲撃時に加え、ルシファードにゴーレムを使って攻撃している術者ですね?」
「確認を取らなくても理解できると思うけど?」
「なら今すぐ中止してもらいましょう。そして、私のサーゼクスの審判を受けて貰います」
「断るよ。如何して圧倒的有利にも拘らず、投降しなきゃならないのか理解しかねるね?」
説得は難しいと理解しながらも口にした言葉を、淡々とした声音で否定するキャスター。
この事に、祐斗と炎駒は激情を押さえながらも冷静であることを努めようとした。
そして何故、2人がキャスターから距離を置いているかと言えば、それは丘の上に居るキャスターを中心に辺り一帯がゴーレムの軍勢で埋め尽くされていた。
大小あれど標準タイプから首なし騎士型に加えて、初めて見る中型位の|飛龍《ワイバー
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