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英雄は誰がために立つ
Life11 本命
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れたのかと言う怪訝さが先行していたヴェネラナだったが、小猫が所持していた金色の盾のおかげで直に理解できた。

 「その盾が、(わたくし)の危機を知らせてくれたのかしら?」
 「はい・・・!」

 ヴェネラナの疑問をよそに、間に合った事が嬉しかったのか、目尻に涙を溜めこみながら小猫は笑顔で肯定した。 
 しかし勿論、それを阻まれていた敵は憤りに駆られていた。

 「人外の尖兵がよくも・・・!!」

 仕切り直してヴェネラナと小猫に斬りかかろうとするも、留玉臣は自身の危機を瞬時に察してバックステップでその地点から離れる。
 そこに、ほんの少し遅れてから滅びの魔力弾と雷が放たれていた。

 「躱された!?」
 「予想通り手練れですわね」

 そこに、放った人物であるリアスと朱乃が門から出て来ていた。

 「お嬢様、何故出てこられたのですか?」

 セイバー相手に基本的に接近戦は分が悪いと言う判断から、距離を取りながらの魔力弾で応戦していたグレイフィアは、敵と向かい合いながらも横目でリアス達を捉えながらも怪訝さを露わにする。

 「何故って、お母様の危機を察知して――――」
 「それだけでは無いようですが?お嬢様の顔は焦燥に彩られています」

 グレイフィアとしては別に責めているワケでは無い。
 リアス達の判断によりヴェネラナが助かった事は変えようのない事実であるし、特別な理由がなければリアス自身がヴェネラナの言い付けを破るとは思えないからだ。

 「ゼノヴィアがいないの!」
 「それで連れ戻しに行こうと思いまして・・・」
 『!!?』
 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 リアスの発言に、その場にいた敵味方の区別なく、それぞれ反応する。
 ヴェネラナとグレイフィアは、リアス達を城内に引き返す様にと言った時に、何故ゼノヴィアについて確認をしなかったのかと自問自答する。
 そしてセイバーは、気付かれたかと顔にはほぼ(・・)出さない様にしながらも、焦燥さが心中を少々染め上げた。
 それに、自問自答しながらも向かい合っていたグレイフィアだけが、敵であるセイバーの僅かな機微に気づいた。

 「決して自惚れるワケではありませんが、私は常にあらゆる事態を想定して動きます。にも拘らず、お嬢様の眷属のお1人がいない事に気付けなかったとは・・・・・・何か知っているようですね?私たちに何をしたのです?」
 「・・・何の話だ?」

 グレイフィアの指摘にセイバーは、僅かに焦りを見せた。
 グレイフィアの疑問には確かな仕掛けがあったからだ。
 今回のセイバー側の作戦の要は、藤村士郎の身柄を押さえる件で脅迫するための人質候補の中で、直前まで選定した結果選ばれたのがゼノヴィアだった。
 そこで、微
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