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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦九日目(2)×デスサイズで刈られそうになった工作員と一科生・二科生の違いについて
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から本格化するものだからだ。仮に新人戦が無くとも、本戦に一年生がエントリーするケースは僅かだろう。普通なら、大会期間中にいきなり新人戦から本戦出場したとしても、上位進出どころか予選通過も難しい状況となってくる。

「(深雪さんと織斑君はまるで別物だと考えた方がいいかも〜、いくら一年生でも本戦に出れる生徒はほとんどいないとしても深雪さんぐらいの力なら)」

あずさは気が弱い所を除けば、同年代の少年少女の中で間違いなくトップクラスにランクされる魔法師の雛鳥。気の弱い性質で第一高校の生徒会役員に選ばれている事自体が、彼女の能力を逆説的に証明している。そのあずさが見れば深雪は間違いなく本気で優勝を狙える実力があり、妹単独でもズバ抜けているが選手兼エンジニアの兄がサポートする事で、優勝候補筆頭であった摩利が万全であったとしても勝てる確率は低い。

心の中でそんな事を思っているが、彼女も第三試合を担当するエンジニアであるからか。ここにいるのは、デバイスの最終チェックを行う為であった。本戦モノリス・コードとミラージ・バットは九校戦男女それぞれの最終競技なので、どの学校もスタッフをフル稼働で貼り付いている。第一高校では、選手一人にエンジニア一人体制で両競技に臨んでいたのか、この競技では織斑兄妹はあずさにとってライバル。

『同じエンジニアとしては、俺と中条先輩がライバル視しているようだけど勝ち負け以前に競い合う気持ちすら無い状態となっているな』

『恐らく先程の出来事がまだ頭の中にあるからかと、あの時の一真様は一生徒が見るのは悍ましいぐらいの殺意を持っていました。それと擬態の聖剣での短刀からデスサイズである鎌を取り出してましたからね』

『私も最初聞いた時は、久々にお兄様の雷が落ちたなとは思いました。大会本部で係員に暴行を働いている、と一報を受けた時の中条先輩らは驚愕より恐怖してました』

『深雪様の仰る通りですが、理由無く暴力を振るうような男の子だと認識しているかと。付き合いは浅いですが、理由があれば暴力を振るう事に躊躇わないだろうと思っているかと』

魔法が軍事目的で開発されたので、今でも戦力・抑止力としての役割が魔法の用途の中で大きな比率を占めている事はあずさも当然知っている。暴力に躊躇わない心を持たない事で、あずさは少し恐ろしさを覚えていた。軍事力に警察力は行政システムに組み込まれた暴力であり、行使は決定者・命令者・実行者・監督者・多種多数の人間が責任を分かち合うだろうが、俺は決定・実行・責任を一人で負う事が出来るので何も問題はない。

相手の死=殺人という結果となったとしても、冷めた鋼のような心の在り方が恐ろしく感じたあずさだった。それから恐れから驚きへの変化は、俺の口から詳しく語られた経緯にあった。デバイスに不正工作を加えてい
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