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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第28話:思い出のバカンス……そして思い出の喜劇
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ロには屈しない鉄の意志を国民に見せ付ければ、犠牲になったこの船の1000人は悼まれるが“国家は国民の安全を第一に考えてる”って思われる』

『な!? 1000人を犠牲にしてでもか?』
『この国には2億人も人口が居るんだぞ! その内のたかだか1000人……痛くも痒くもないさ! 俺だってこの船に乗ってなきゃ、1000人を犠牲に武力行使するよう陛下に進言するからね!』

『じゃ、じゃぁ……俺達には道が無いのか?』
『そんな事は無い! 俺が何とかする。今の俺にとってアンタ等の振り回す剣は怖くないんだ……恐れてるのは陛下が振り回す(権力)なんだ。俺は死にたくない……だからアンタ等の為にじゃなく、自分の為に陛下と交渉して身代金を支払わせるんだ。だから邪魔しないでくれよ……もう2度と人質に危害を加える的な言動はしないでくれよ』

巧いわねぇ……そして凄いわね。
打ち合わせをした訳では無いのに、リュカとウルフ君は連携して人質の安全を確保したわ。
思わず感心してリュカに視線を向けると、彼は何人かに指示を出していた。

そしてリビングルームには色んな衣装を着込んだ城内の面子が集まり出す。
綺麗なドレスを着込んだリュリュ、普段着ないような堅苦しい礼服を着たティミー。
やはり形式張った衣装を着込んだオジロンなど……

更には、メイド服を着たスノウまでも待機してる。
そして一際目立ってるのは、何故呼び出されたのか解らないゴレムス・サーラ・ラーミア。
ラーミアなんかは少女の姿ではなく、大鳥の姿で待たされている。

リュカが「大人しく待て」と言わなければ、ラーミアは確実に暴れている……
さてさて、これから何が始まるのだろうか(笑)

ビアンカSIDE END



(ルクスリエース・バンデ号)
リューノSIDE

寸での所で難を逃れたマリーを抱き寄せ、ウルフ等の動向を覗う。
既にペースはウルフに移行してるらしく、切々と解く彼の指示に犯人は素直に頷いている。
因みにウルフの言い分は……

“あの男(お父さん)は馬鹿だから話にならない。何とか時間を稼いで王子のティミー殿下と大臣のオジロン閣下をMH(マジックフォン)に出させなければならない。それと俺(ウルフ)のフィアンセであるリュリュ姫に現状を知らせて、娘に甘い陛下の心を揺さぶる”との事である。

MH(マジックフォン)を切ってる様に見せてるが、音声は向こうに伝わってるハズ……
って事は、犯人に言ってるフリして本当はお父さんとの打ち合わせなんだね。
流石はナンバー2……

「じゃぁ陛下との通信を回復させるぞ。絶対に不用意な言動は避けろよ」
「あぁ解ったよ」
おやおや……これではどっちが犯人なのか判らないわね(笑)

「陛下……お待たせ致しました」

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