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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第26話:思い出のバカンス……暗雲立ち込ってますか?
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すとは思えませんしね。





開演10分前……つまり11時50分にレストランへ到着。
受付にウルフが名を伝えると、
「ようこそおいで下さいましたウルフ様。社長より最高の席を用意するようにと言付かってます」
と言われ、大きなステージの真ん前……えぇ、弦楽団独占席を提供されました。

私達のテーブルを中心に、左右へ同じ半円のテーブルが3つ。(つまりは7席)
ステージを正面に観て後ろに4つ。(私達の座る席の後ろの列は5席、その後ろは3席、最後は1席)
そしてステージを囲うように末席が多数……

「やべーな……あんまり目立つ席って嫌なんだよなぁ」
そうなのだ。嫌でもVIP感を露出するこの席は、大人しくしておきたい私達には向かないエグゼクティブシート。

ショウが開始してない状態では一番目立つ席の人間が一番最後に来場した為、周囲からの視線が刺さるように痛い。
なんせ周囲のVIPは皆年寄りばかりで、若く見積もっても中高年ばかりなのだ。

その中に未だ10代のウルフと、更に若い女が2人登場すれば、周囲の視線も集まります。
“あのガキ共は何者だ!?”“なんだってあの若造は、女を2人も(はべ)らせてるんだ!?”って感じでね。
来るんじゃなかったかな?

「わぁお……齧り付きな席じゃん!」
半円卓の中央にハイテンションなまま席に着くと、周囲の視線をモノともしないマリーが楽しそうにはしゃぎ出す。
やっぱり正当な王家の血筋はVIP待遇になれてるのかしら?
それとも……

思わずウルフと目が合って、多分同じ事を考えてたんだと思うけど、笑い出してしまう。
そして思った……気負ってても意味がない。これは愉しんだ者勝ちだと。
だから私もウルフも気楽に席に着く事が出来た。

マリーが身勝手に真ん中の席に座ってしまった為、右側に私が……左側にウルフが着席。
ウルフと少しだけとは言え離れて座る事に不満があるが、マリーが勝手な事をしそうになったら、二人して止めなければならないので、これで我慢します。

さてさて、そうなると早く開演してほしくなるのが人間の性。
美味しい料理も堪能したいし、この齧り付きな席も満喫したい。
ワクワクソワソワ状態で12時になるのを待っています。

すると会場全体が薄暗くなり(各テーブルには蝋燭の灯火があるので、食事する分には問題なし)、目の前のステージのカーテンが厳かに開きました。
それと同時に給仕さんが前菜を運んできます。

ステージからは優雅な音楽が流れ、私の口には美味しい料理が届き、まさに夢のような時間が世界を支配します。
ですが、夢は覚めるもの。現実は面倒な事のオンパレード。

「イオ!」(ドカーン!)
突如ステージの端が爆発したと思ったら、黒い覆面をした複数
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