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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第25話:思い出のバカンス……さぁ楽しみましょう。
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ある。
「高かっただろうなぁ……リュカさん
凄
(
すげ
)
ー……」
うん。
禿同
(
はげどう
)
である!
この船は元々高級志向の客船として名を轟かせており、通常の客船に比べれば全てが高級!
基本、通常の客船には“2等”“特2等”“1等”“特1等”“特等”と、客室をランクワケされている。
しかしこの船には“特1等”“特等”しかない。
しかも特別なのは、その乗船人数だ。
普通の豪華客船と言われる船は、少なくとも3000人くらいは客を乗せて運行するのだが、この船は違う。
800人弱と大幅に少ないのだ!
乗員を含めても1000人前後。
その分小型であるが、乗船率100%でも窮屈さを感じさせない。
……てな事がパンフレットに書いてあった。
んで、その中でも一番豪華な客室が私達の部屋へとなり、バカンスへの期待感を否応なく上昇させる。
「こんな部屋に宿泊して良いの? まるで王族扱いじゃない!」
「あのリューノさん……私達、王族よ」
「お前等は“なんちゃって王族”だろ。この部屋は本物の王族が使用する部屋だ」
うむ、王族の……それも正当な血筋である王族の私としては否定をしたいウルフの台詞だが、この部屋の素晴らしさを前に言葉が出てこない。
とは言えバカンスを満喫する為に、私達は部屋に荷物を置き、着替えて船の施設へと繰り出した。
船内にある施設は、複数のレストラン及びバー・ラウンジ・プール・フィットネスクラブ・スパ・美容室・エステ・ショップ・劇場・カジノ・医務室等があり、殆どの施設が出港してから利用可能になる。
だが、それらの施設の場所へ行き、出航後の事を考えるだけでワクワクしてくる。
珍しくお父さんが、お小遣いとして1000
G
(
ゴールド
)
もくれたし、きっと楽しいバカンスになる事だろう。
リューノにも渡してたから合計2000
G
(
ゴールド
)
……国庫の金に手を出すはずがないから、きっとこれもバイトして貯めたんだろう。
う〜ん……
ここまでしてもらっては、ウルフの忙しさにも目を瞑らない訳にはいかない。
国家の重要人物たる彼氏を、私達彼女等が困らせてはいけないのだ。
巧く丸め込まれた感があるが、この豪華客船を前にしたらニヤケ顔で許してしまうってもんよ!
一応ウルフは船長さんに挨拶しに行き、その間私達は船内を散策する。
絶世の美女である私が男無しで歩けば、
血
(
女
)
に飢えた
鮫
(
醜男
)
達が馬鹿面下げて集まってくる。
一緒にいるリューノの事を妹だと思ったのか……
「やあ、君達は姉妹かな? この船は初めて? どうだろう俺等と一緒に楽しまない?」
と声をかけてくる。
う〜ん……海に突き落としたい?
「マリー様……行きましょう。こんな所を旦那様に見られたら大変です。彼等の命が……」
恭
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