20.また出会う日まで
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動きが注視されている大陸の火薬庫だ。諍いは少なければ少ないほどいい。
まして巻き込まれた学生が正教有力5家のうち2つの次期当主ともなれば、下手をすれば国際問題まっしぐらだ。無論、身分を隠してる二人はそんな細かい説明をする訳にもいかない。
故に、名残惜しいながらここでお別れだ。
「今回の事件のこと、色々あって死ぬかと思いましたけど……無事に切り抜けられて本当によかったです。それに一緒に戦って、変な話だけどワクワクしました!」
「それは俺もだぜ。あんたの剣術……ちょっと公国式が混じってるが我流だったな。魔物との実践も含めて良い経験になった。一応、助けられもしたしな」
てへへ、と後ろ頭を掻きながら言うユウ姿は……やっぱりどこかベルを彷彿とさせる。
ジャンも鼻を鳴らして腕を組みつつまんざらでもなさそうだ。
「リングアベルさん……次にオラリオに来たときは会いに行ってもいいですか?」
「勿論だとも。その時は話が主神と弟子のことをたっぷり説明してやる」
「楽しみにしてます!えへへ……」
リングアベルが手を差しだす。ユウとジャンはその手を握らず、重ねあわせた。
「三銃士式の握手です!」
「手ぇ握ってないのに握手って言えんのか?」
「男なら細かい事は気にするな!こういうのは雰囲気が大事だぞ!」
若干おいてけぼり気味で「なんか通じ合ってる……いいなぁ。ああいうのちょっと羨ましいや」のベルと、勝手に知らない世界を展開されて若干すねてるヘスティアの前で、3人は再開の誓いを立てた。
部屋を後にする2人を見送った直後、入れ違いに別の人物が入ってくる。
部屋を出た2人が思わず二度見知るほどインパクトのあるその姿にリングアベルが声を出す前に、その人物はいっそこっちが白けるくらい高いテンションで声を張り上げた。
「俺がガネーシャだ!!この尊顔を覚えておくがいい!!」
バァーーン!と凄いインパクトで出てきた筋骨隆々な象仮面マン。
なんと、この頼まれもしないのに突然自己紹介した男があのガネーシャ・ファミリア主神のガネーシャらしい。ベルはもう会ったことがあるらしく微妙な顔をしており、ヘスティアの方は若干白けた顔ながら普通に話しかける。
「お、ガネーシャだ。例のミネットちゃんの具合はよくなったのかい?」
「うむ、一度目を覚まして話が出来た。疲れているが猫まんまを食べればよくなるだろう。今はビスマルクのタテガミの中で安眠している」
腕を組んでうんうん力強く頷くガネーシャ。
しかし……オラリオの服にしては少々露出が多いその服は、ガネーシャの逞しい肉体美を存分にさらけ出している。言うならばそれはリングアベルとは違う男の色気。このノリといい、独特のセンスといい、なんとなく気が合いそう
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