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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
20.また出会う日まで
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!」と言わんばかりの表情は傍から見れば微笑ましいくらいなのだが、リングアベルにかかるプレッシャーは本物である。女性は時々有無を言わさぬ迫力で男性を圧倒する。それこそ女性の強さと言うものだ。

「まったく!!君は本っっっ当に反省と言うものを知らないね!?また女の子のために命を張ってるし!!心臓が潰れそうなくらい心配したボクの気持ちの100分の1くらいは汲み取ったらどうなんだいっ!?」
「うおおおおおお!?悪かった!俺が悪かったからぁ!!」

 今度は馬乗りになってリングアベルをガクガク揺さぶる。接触しているお尻と太ももの感触こそ幸せだが、脳が揺さぶられていてそれを感じるいとまも無し。ここが病室でリングアベルが病人だということをガン無視した暴挙だが、それもファミリアの愛あってこそ。言うならば愛の鞭である。
 結局、そろそろ止めるべきだと判断したベルが止めに入るまでそれは続いた。



 = =



 騒動が収まった頃、ユウとジャンが部屋に入ってきた。
 二人とも俺が救った命であり、逆に俺の命の恩人でもある。
 二人とも元気そうなリングアベルの姿を認めると笑顔で歩み寄ってきた。

「失礼しまーす……あ、リングアベルさん目を覚ましたんですね!よかったぁ〜………もう、無茶しすぎですよ!」
「へっ、まぁ俺は心配してなかったがな。お前みたいなのは生き汚いって相場が決まってやがる」
「あ、こらジャン!そうやって直ぐ憎まれ口叩くんだから〜……」
「いや、構わんさユウ。一度は背中を預けた仲間なんだからこれも信頼の証と思う事にするよ。二人とも元気そうだな?」
「ファミリアの人達に嫌疑をかけられて軽く尋問されたんですけどね〜……幸い俺達が悪者だって言う疑いは晴れました」

 そういえば、二人はもうヘスティア・ファミリアとは話をしているのか?と疑問に思ったリングアベルはヘスティアの方をちらりと見た。
 ――ぞくり、と毛穴が逆立つ。

 ヘスティアが、周辺を圧迫するほどの威圧感を纏った無表情でユウを睨むように見つめていた。
 それも、単に警戒しているとか嫌っているという段階を越えて、罪人を睥睨するような冷めきった視線。

「か、神様………ど、どうしたんですか?」

 おずおずと尋ねるベルを手で制したヘスティアが一歩前に出る。

 そこには、一種の嫌悪さえ混じった異様なオーラが感じられた。
 あの温厚で人畜無害なロリ神とは思えない、超越存在としての力の片鱗。
 凛とした声が、ユウに向けられた。

「キミ、『グリード』の血縁だね。自らの強欲に従ってあれだけの事をしでかしておいて名門を名乗るのも滑稽だったが、一体どの面下げてオラリオに来たのかな……?」
「め、女神ヘスティア?彼らは今回の一件の被害者だぞ?何をそん
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