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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第483話】
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身が鈍く輝きを放つ。

 それが合図になったのか、もう一機の黒い機体――襲撃者単体が俺に襲い掛かってきた。

 数少ない好機――二機同時に来られたらアウトだったが、一機なら。

 刹那、襲撃者のブレードが俺の身体を貫く。


「……ッ! ヒルト、くんッ!?」


 腹部がブレードによって貫通、それを見た簪は信じられないといった表情で頭を何度も振った――だが。


「……簪、まだ俺は死んでないぜ、これがなァッ!!」

「え――――」


 そんな俺の叫びと共に、俺の体は散り、桜の花びらを周囲一帯を包む。


『――――!?!?!?』

「勝利を確信するには、まだ早かったな……!」


 襲撃者の機体を貫く黒い刀身、グッと突き刺すと力なく膝から崩れ落ち、襲撃者は倒れた――単一仕様、桜花幻影を発動した。


「……ッ、ぐぅっ……、ぅぁ……」


 折れた左腕も使った一撃は、俺の体力を激しく消耗させ、俺は膝をつき、右手で身体を支えるのが精一杯だった。


「……く……ぅ」

『……主君』


 雅の声に、頭を上げる――紅い機体が、ゆっくりと、此方に向かって歩いてきていた。

 ここまでか――そんな俺の思いを察したのか、雅はいつもの優しい口調で語り始めた。


『……主君と初めて出会ったのは、今年の二月の事だったな』

『雅……?』

『そして、君の専用機になって一月と半分。 ……私は、量産機だが幸せ者だな、主君という主を得たのだ』


 雅の語りに、一抹の不安が過る――。


『……主君――いや、ヒルト。 君が私の主で良かった。 ……主君は絶対死なせない、この私が守る!』

『何を言ってるんだ……雅――』


 目の前に迫り、右腕の可変ブレードを振るう紅い機体、その直後ハイパーセンサーに表示された【搭乗者強制射出】の文字、そして打鉄から強制排除され、空を舞う俺。

 ――主君、さよならは言わないぞ……死ぬな――。

 耳にそんな雅の声が聞こえ、自由のきかない空中で必死になって雅を探す。

 そんな俺の視界に映ったのは、俺の機体――雅が両断され、沈みゆくその姿だった。
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