【東方Project】編
086 積年の汚名返上
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SIDE OTHER
今となっては昔の事である。……八意 永琳と云う女性にとって升田 真人≠ニ云う人間──と称して良いかは微妙なところだが、升田 真人>氛氓サの青年は不確定要素の塊だった。
≪月の賢者≫と謳われた永琳の計算では──本来なら輝夜を拾うのはかの竹林≠ナ竹を伐採してはその伐った竹で道具を造る道具屋の老人だった。……しかし、輝夜を拾ったのは茶赤の髪の青年だった──と云う事を監視≠ノよる言葉か知って、永琳は自分の計算ミスを悟った。
それからと云うものの、事態は永琳からしておもしろくない&向に転がって行った。……輝夜がよもや、肢体を許すとは露ほども思わなかった。そこにまた、升田 真人≠ェかっさらって行った事を知った時、永琳の反応は筆舌に尽くしがたいモノだったと──とある弟子は語っている。
軈て輝夜を迎えにいく夜の前日、先に地上に降りた永琳は口先三寸で──詭弁と思いやり≠込めた論調で輝夜を丸め込み、翌晩──云わば迎えに行く当日=B……升田 真人≠ニ輝夜を引き離す事に成功した。
そこから1300年以上にも亘る、各地を転々とする日々の末、幻想郷≠ヨと辿り着けたのは永琳にとっても──もちろん輝夜にとっても僥倖だった。
月≠ゥらの通達で、(永琳達からしたら)1300年超の運命の歯車が廻り始めた。……119季の幻想郷≠ナの出来事である。
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SIDE 升田 真人
鈴仙は大きな音を発てない様に襖を開ける。
戸の向こうに居たのは灰銀の長髪を大まかに三つ編みしてセンスを疑いたくなる様な色合いの服の上に白衣を羽織っている妙齢の、少女≠ニも女性≠ニも取れる女性。
……そして、嘗て辛酸を嘗めさせられた相手。
「こうして会うのは初めてか──≪月の賢者≫」
「そうですわね──女たらし≠ウん」
期せずしてと云うべきか、これが≪月の賢者≫──八意 永琳との、事実上¥奄゚てのファーストコンタクトとなった。
「………」
「………」
「……あ、私お茶を淹れて来ますね」
会話の先導性を取ろうと八意 永琳と(会話の)技撃軌道戦≠ノてお互い牽制し合ってていると、豈図らんや──意外にも、この部屋に蔓延していた空気にびくびくしていたらしい鈴仙がそう言って退室して行った。……恐らくだが、鈴仙はこの空間から逃げ出したかったのだろう。鈴仙の
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