【東方Project】編
086 積年の汚名返上
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目に安堵≠フ感情が浮かんでいたのを見逃していなかった。
(この場の雰囲気はリセットされたか。……ある意味助かった)
「……取り敢えず座ってはどうかしら」
「……それでは遠慮なく」
そう言われて、忸怩たる思いで示唆された座布団に座る。……1対1≠ナの会話と云うのは、大体はボール1つでのキャッチボール≠ナある──と、俺はそう認識している。沈黙を肯定と見なして話を進める時も時も有るが、それは今は置いておこう。
……とどのつまり、何が言いたいかと云うと──俺は八意 永琳から会話の先導性≠取られてしまったという訳だ。……今現在でも、俺が消えていた分の年季>氛沁タ際にはもっとあるかもしれないが、1300年ものアドバンテージがあちらには在る。ここから巻き返すのはまず無理と考えても良いだろう。
(……って──そもそも、舌戦を繰り広げに来た訳じゃないよな…)
鈴仙がお茶を淹れて来てくれるのを待っている──そんな手持ち無沙汰な状況。ふと【永遠亭】に来た理由を思い出していると、机を挟んで座った白衣を羽織っていた彼女は徐に口を開く。
「取り敢えずは自己紹介からしましょうか。……改めまして、私は八意 永琳と申します。升田 真人さん──貴方の事は輝夜からいろいろと≠、かがっていますよ」
「ははは…。……どんな流言が語られているかと思うと気が気ではないですね」
「あら、女性の扱い≠ェ達者だと聞いてますわ。……なんなら私の事も扱って≠ンますか?」
(……意訳すれば女たらし野郎め、輝夜に会いたければ私を倒していきな>氛氓チてところか)
「ご勘弁を──あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。……升田 真人です。少々道を誤り、人間をやめてしまった愚か者です」
「ふふ、敬語に慣れてないなら外してもらっても結構ですわよ?」
「それでは遠慮なく。……敬語は苦手でも得意でもないからな。……正直に云えばどちらでも構わないんだが、無礼講──と言ったら聞こえは悪いが、どうにもこっち方が慣れてるらしい。八意女史が寛大な懐の持ち主で助かったよ」
「いえいえ、先達の者としては当たり前の事をしたまでですよ」
(こいつぅ…)
やはり年の功≠ニ云うべきか。会話で後手後手に回ららされてしまう。
――「お師匠様、お茶のほうをお持ちしました」
「ご苦労様…鈴仙。そっちに取りに行くから、後は私がお客様の応対をするから下がって結構よ」
八意 永琳と無意味に会話のキャッチボールをしていると、この部屋に1つしかない戸の向こうから声が聞こえてきた。タイミング──それと、気配や声からして鈴仙だろう。……八意 永琳は鈴仙から
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