有波ー下校編
Part19 無意識に意識
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後
話をしよう、あれは今から数十時間前の事だったか。
俺は宴会が終わった後、疲れて寝てしまったフランとレミリアを担いで紅魔館に戻ってきた。
咲夜さんは宴会の片付けでお残りだ。
門の前で寝ている紅 美鈴を蹴り起こして、門を開けてもらい、二人のベッドにそれぞれを寝かせた。
俺もその日は疲れていたし、仕事も無かったから、ベッドに入って眠ってしまった。
いい夢を見ていた気がする。
起きた瞬間は凄まじく気分が良かった。
嵐の通り過ぎた後のような晴々した気分となった俺は、さあ今日も頑張ろうと意気揚々と立ち上がったのだ。
そして、その時に気付いてしまった。
俺の眼に映りしは、陽が僅かしか当たっていない、岩肌が荒々しい断壁。
どれだけ辺りを見渡しても、赤い館も見えなければ博麗の神社もない。
そして今に至る。
どうしてこうなったか。
もしかして、ついにクビにでもされたか?
いや、クビにするのなら正々堂々とそれを言えばいいだけの話だ。わざわざこんな崖の底みたいな場所に放り投げる必要はない。
となると、可能性としては他の何者かが俺を攫って置き去りにした、とか?
いや、我等が紅魔館の防衛セキュリティは万全だ。
メイドの咲夜さんを筆頭に、レミリアやフラン、そして館中を闊歩する妖精メイド。
その辺の馬鹿が俺を攫おうと行動した所で、結局は捕えられるのがオチだ……。
と思ったけど、昨日はレミリアもフランも眠り、一番役に立つ咲夜さんも居なくて有象無象だったのか。
つーか万全状態でも魔理沙に突破を許したんだし、考えるだけ無駄かな。
門番があれだしなぁ……。
いっそのこと俺を門番にした方が良くね?
でも恐らく美鈴の方が俺より強いだろうし、やっぱ無理か。
しっかし、ここはどこだ?
全然知らない場所だし、まさかここでサバイバル生活をしないといけないのか?こんな生物が住んでいるのかどうかすら怪しい場所で?
うん、無理。
誰か迎えに来て、レミリアに咲夜さんにフラン様にパチュリーさんに霊夢に魔理沙。
帰ろうにも道が分からない。どうしろというんだ、こんな場所で。
警戒すべきだったんだ。宴会が終わったということは一つのイベントが終わったということ、それはつまり次のイベントを引き起こすトリガーだったということ。
気を抜いた時にやられるんだ、気を引き締めてる時は何も起こらない。気を抜いた時に何かが起こる。
それがこの世界の真理。
フラグは24時間フリープレイ。
コンティニューはできない。
「だーれかー!いーませんかー!」
叫んでみるが、少し声が反響しただけで返答は無かった。
妖怪どころか生物がいないと見た。
そりゃそうだ、こんな場所
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ