異変終了ー日常ー
Part18 宴会と影
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
準備が終わり、陽が完全に落ち、提灯の火が辺りを照らし始めた時間帯に宴会は始まった。
どこから集まったのか分からないほどの数の妖怪が、持参したと思われる酒を片手に歩き回り、歌いまくっている。
自分で持ってくるなら先に言ってくれよな、おい。
しかし、この人気の無い博麗神社で宴会なんてして人なんて集まるのか?
と思っていたが、意外と集まったな。
ほら見ろ、彼処の人とか、屋台まで持ち出して焼き鳥売ってる。
あ、うまそう。
後で買いにいくか。
「お姉様!こっちこっち!」
「あぁもう……待ちなさいフラン。みっともない」
フランも満面の笑みで、片手にお面を持って走り回っている。
レミリアは冷静を装っているが、その目はあらゆる所に目移りしていて、実に楽しそうだ。
パチュリーは魔理沙と一緒に屋台を回っていて、少し笑っている。
咲夜さんは楽しそうにはしゃぐフランとレミリアに話しかけ、その笑顔を直に見てしまった。
今頃は布団の上で幸せそうな表情のまま、静かに眠っているだろう。
忠誠心は鼻から出るってやつだ。
霊夢は宴会のおかげで賽銭が集まり、ゴミ式賽銭箱に張り付いてニヤけている。
これ、宴会じゃなくてお祭りじゃなかろうか。
それにしても、いやぁ、楽しそうだ。
あのフランの笑顔を見れただけでも、来たかいがあったというモノだな。
けど……一つだけ、不満な事があってだな。
「機嫌悪そうね。血圧低いのかしら?」
クスクスと、扇で口元を隠しながら笑う一人の女性が、俺の横に座っている。
この金髪女性、名は八雲 紫。
こいつは、俺も宴会を楽しむぜーー!!と意気込んだ所に現れ、話があるから付き合えと言ってきた。
一瞬だけ殺意の波動に目覚めたが、携帯を取り出した瞬間に携帯を没収され、仕方なく付き合っている。
このババアめ……俺のフランLIFEを邪魔しくさりやがりおって……。
「用があるのなら、出来るだけ早くして下さい。俺は今、かなり忙しいので。ほら見て下さい、あのフランドール様の笑顔。アレをカメラに収めなくては……ま」
初めての宴会だからこそ最高の笑顔が撮れるんだ。
また次に宴会があったとしても、2回目ともなると感動が薄れて笑顔も薄まる。
今こそのシャッターチャンス。
宝石はいつまでも輝いていないんだ。
あ、こらそこのクソボケ妖怪。フラン様に話しかけてんじゃねぇ殺すぞ。
もし裏路地に連れ込んだりしてみろ。お前を三途の川に突き落とすぞ。
「いえ、別に特別な意味はございませんわ。ただ、外来人が紅魔館で働いていると聞いて、珍しいから一目見てみようと思っただけよ」
そんな事で俺のヘブンへの道を閉ざしたのか?こいつは。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ