暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【東方Project】編
082 生きたまま冥界に行けるのはおかしい
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

SIDE 升田 真人

「初めまして。私は西行寺(さいぎょうじ) 幽々子(ゆゆこ)。ここ>氛氈y白玉楼(はくぎょくろう)】の家主をしながら、閻魔様から幽霊の管理を任されている者です。で、こちらがここ≠フ庭師をしている──妖夢、挨拶なさい」

「改めて自己紹介させて頂きます。……主、西行寺 幽々子様よりご紹介に与りました、魂魄(こんぱく) 妖夢(ようむ)と申します。半人半霊≠ニ、その文字通り[半人前]な身では在りますが、先にも幽々子様のご紹介にもありました通りこの【白玉楼】の庭師にそれに兼ねて、剣術指南役を務めさせて貰っています」

然も年期が有りそうで──そして高級感溢れる卓を挟んで、桜色とも薄い紫とも取れる髪の少女──西行寺 幽々子が優雅に…その隣の、アッシュブロンドの髪で二本の刀を携えている、あどけなさを残している少女──魂魄 妖夢が(うやうや)しい態度で俺に礼をする。

(さて、どうしたものか)

そんな事を考えながら、いつもの通り平行的思考(マルチタスク)の要領で今日有った事を簡単に纏める。

……1.魂魄 妖夢と名乗る少女が【満足亭】にやって来た。2.その少女は主の遣いでやって来たらしく、冥界≠ノ着いて来て欲しいと言う。3.俺はそれに承諾してホイホイと冥界にやって来た。4.今に至る──そんな感じである。

「これはこれはご丁寧に。……私は…」

「敬語は良いわ。代わりに≠ニ云ってはなんだけど、私も普通に話させてもらうわね」

……幽々子はさっきまでの優雅佇まいからその立ち振舞いを変え、そう注釈とばかりに、俺に敬語を取り除く様に付け加える。……これはいつも思っている──わけでも無いが、俺の敬語は嘘くさいのかもしれない。

「……まぁ、態々(わざわざ)名指しで俺を呼んでるから、俺の事はある程度は知っているかもしれないが、取り敢えず俺も二方に(なら)って自己紹介といこうか。……俺の名前は升田 真人。そっちで云う顕界(げんかい)で、しがない定食屋を開いている新米の現人神(あらひとがみ)だ」

そう一礼にて返す。

「あらあら。月≠ニの(さき)の大戦で殿(しんがり)を務めた≪英雄≫殿の自己紹介にしては、(いささ)か色気が少ない自己紹介でなくて?」

「≪英雄≫って。最早否定する気も起きないが、それは一部の妖怪が言っているだけだよ」

「それにしては紫から色々な貴方に関する事を聞いてるわ。それはもう耳にタコ出来るくらいに。……その時≠フ紫は可愛かったわよ。顔を──それこそ年頃の生娘(きむすめ)の様に、顔を真っ赤にしてて」

「ははは…」

(紫が、ねぇ…)

そうニコニコ笑顔で(のたま)う幽々子の言葉を信じられないものだった
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ