【東方Project】編
082 生きたまま冥界に行けるのはおかしい
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。……取り敢えずどんな反応をして良いのか判らないので、苦笑いで誤魔化しておく。
「でね──」
……その後は、幽々子にからかわれそうになったりしたらそれをのらりくらりと避けつつ、幽々子──時たま妖夢と四方山話に華を咲かせていれば、いつの間にやら夜になっていたので今夜は【白玉楼】に厄介になることになった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
――バシィン! ……バシィン!
「ん、お…?」
明くる朝。【白玉楼】の一室で、某かの音で目を覚ます。……音の発生源を探ると、襖の向こうの、庭の方から聞こえている事が判明した。
「あれは…」
襖の向こうではアッシュブロンドの少女が鍛練用≠轤オき木剣を振るっていた。俺は一応、一端の武芸者であるつもりだ。……故に彼女──妖夢のしている事は判る。要は日課の鍛練なのだろう。
……誰も彼女の鍛練に気を向けていない事から、この【白玉楼】庭では日常茶飯事らしい。……そもそも冥界は人間が居るような土地ではないのだが。
閑話休題。
仙術で周りの空気≠ニ一体化しながら妖夢に近付いて行く。妖夢は鍛練に夢中な様子で、俺の存在には気付いてない模様。
「精が出るな」
「っ!? 何者か──って、真人さんでしたか。……あんまり吃驚させないで下さいよぉ…」
いきなり掛けられた声に驚いたのか、こちらに木剣を向けながら妖夢は言う。……妖夢の様子からして、ドッキリは成功したらしい。……そんな妖夢の様子に、そこはかとない──どうしようもなく稚拙な充足感を噛み締めていると、妖夢はその顏を思い悩んでいる様な表情に変えて口を開く。
「……あ、もしかして起こしちゃいました?」
「いや、俺がいつも起きる時間帯に起きたら偶々妖夢が鍛練していただけだから、気にしなくて良い」
「は、はぁ…」
妖夢が一息吐いたのを確認して──先ほどの、妖夢の鍛練の一端から散見された剣の腕を見込んでふと思いついたある事≠提案をするの決め、倉庫≠ゥら一振りの木剣(“デルフリンガー”と同寸)を取り出す。
「さて、こうやって妖夢の鍛練の場面に与れたのも何かの縁だろう。……そこでだ。剣術指南役≠ナある妖夢から、一手だけでも良いからご教授願いたい」
「そんな、滅相も無い! 私は昨日も申しました通り、若輩の域を出ない身空です」
「くくっ…」
俺の取り繕った態度に妖夢は然も恐縮≠ニ云った体で、予想通り≠フリアクションをするので思わず苦笑が漏れてしまう。
「……もう、知りませんっ!」
「くくっ…はははっ…。悪かったよ、……
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