旅の仲間たち
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一緒にいる俺たちはどうなるんだ?
「お前たち!!」
「「「「「?」」」」」
俺たちが話していると、前を大荷物を引っ張って歩いているエルザさんが声をかけるので前を向く。そこにいるエルザさんは、なぜかピンクのシートを広げ、腰を下ろしていた。その周りにはたくさんの料理が並んでいる。
「ここに座らないか?」
「「「「「?」」」」」
エルザさんは何をしようとしているのか俺たちにはわからずにみんな固まっている。
「あぁ・・・気持ちのいい物だな、ピクニックとは」
エルザさんは清々しい笑顔で耳を疑うような単語をいい放った。
「・・・はい?」
「ピクニック・・・?」
俺とカナさんはエルザさんにそう言う。
「一度やってみたかったのだ!!ピクニック!!」
エルザさんは当初の目的を完全に忘れているようだ・・・もう完全にピクニックをすることしか考えていないような顔をしている。
「ちょっとエルザ・・・趣旨が違ってきてるよ」
「僕たちの目的は〜・・・」
カナさんとセシリーがエルザさんを説得しようとするが、エルザさんはサンドイッチ片手に目をキラキラさせている。
「人生初のピクニックだ!!ピクニック!!」
エルザさんがピクニックって言うと、どこからかやまびこが聞こえてくる。どこで反響してるんだ?
「そんなことしてたら、レギオン隊に先を越されるわよ!!」
シャルルもエルザさんを止めようとするが、エルザさんは楽しそうな顔をしたまま答える。
「全ては計算済みだ。途中で一度だけピクニックをしたところで、先を越されることなどない」
「その計算は何を基準としてるんですか?」
あいつらがどんな移動手段を持っているのかもわからないのに、なんでそんな自信満々に言えるんだ?俺が疑問をぶつけると、エルザさんはフフッと笑ったあとにこう言い放った。
「私の勘だ!!」
「「「「「・・・・・」」」」」
エルザさんのあまりにも真剣な表情でのボケに、俺たちは言葉を失う。
「ああ・・・風が吹き渡り、どこまでも広がる草原・・・」
エルザさんは一口サンドイッチを口に含むと、涙を流しながら「うまい!!」と感動している。
「エルザさん・・・」
「価値観が違いすぎる・・・」
「かなりね・・・」
「なんかやっぱりどこか抜けてる・・・」
「でも楽しそうだよね〜!!」
セシリー以外の俺たちはエルザさんを見て呆れている。人生初のピクニックに感動するのはわかるけど、なぜこのタイミングなんだろうなぁ・・・
エルザさんがさらに目を輝かせていると、その後ろから馬にまたがった男たちが現れる。馬?なんか変だけど・・・ここは馬ってことにしておこう。
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