マブラヴ
1036話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うな体勢になっているのは恥ずかしいのだろう。
そんな風に考えながら、腕の中にある円の柔らかな身体を離す。
円の身体と甘酸っぱい体臭が離れていくのを残念に思いつつも、周囲の様子を確認する。
街の端にあるような小屋であるとしても、これだけの爆発があったのだ。当然街の方でも気が付いたらしく、警察に連絡したのだろう。パトカーのサイレン音が聞こえてきた。
「ね、アクセル君。その、どうする? このままここにいると警察とかに事情聴取されることなりそうだけど。そうなると、無駄に時間が掛かると思うし、不法入国したのを咎められそうなんだけど」
「……そうだな。なら一旦ここを離れるか。円、こっちに」
それだけで俺がどのような手段を取ろうとしているのかを理解したのだろう。円は先程抱きしめられた事を思いだしたのか、微かに頬を赤く染めながらも近づいてくる。
そんな円が俺の近くに来たのを確認し、影のゲートを展開してそこへと沈み込む。
次に姿を現したのは、先程爆発のあった場所から20km程離れた場所。
……20kmとか、日本で言えばかなりの距離なんだけど、アメリカみたいな場所ではそれ程でもないんだよな。隣の家までちょっと……っていうのは大袈裟過ぎるが。
ともあれ、爆発のあった場所から転移してきた俺と円は近くにあった街へと入っていく。
一応俺は有名人ってことで帽子やサングラスで顔を隠しているが、円はメディアに露出していないので、ネギま世界だったりシャドウミラーと直に接した者でなければその正体に気が付く事が出来る者はいないだろう。
その円は、俺の腕に抱きつきながら口を開く。
「さて、これからどうするの? 折角の手掛かりも殆ど意味がなかったし」
街中を歩きながら円がそう告げてくる。
道にいる者達のうち、若い男の多くがこちらに視線を向けては口笛を吹いたりしてくるが、絡んでくるような者の姿がないのはお互いにとって幸いだったと言ってもいいだろう。
この辺の平和さも、BETAに対して有利な戦況になっているから。……そんな風に思うのは、俺の考えすぎだろうか。
ただ、もしもBETAに押され気味であったとすれば、一般市民の心はかなり荒んでいて、自暴自棄に近い者もいた筈だ。
それに比べれば、取りあえず今は基本的にそんな事はない。……まぁ、テロリストにすればそんな感じになっている者も少なくはないだろうが。
「ちょっとどこかで何か食べていくか?」
腕を抱いている円にそう尋ねると、一瞬驚きの表情を浮かべるが、すぐに納得したように頷く。
「そう言えばアメリカは食料に関しては天然物が多いんだっけ?」
「ああ。俺達が来る前から食糧自給率に関してはかなり高かったし、そこに他の世界からの輸入もしているしな」
もっとも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ